商品詳細
これからこの国をどうする。「死者と共に生きる」ための文芸評論
ISBN978-4-406-05780-6 C0036

死者の声、生者の言葉
文学で問う原発の日本
定価1,728円(本体1,600円)
2014年2月28日
四六判並製 192P
3・11から3年を迎え、日本と日本人は今どこにいて、どこに向かおうとしているか。震災後の和合亮一、川上弘美、いとうせいこう、林京子らの作品、大江健三郎の発言などを読み解くとともに、宮澤賢治や夏目漱石をあらためて読み直す。時代を全力で生きる知性と感性に正面から向き合った渾身の書。
【目次】
- 第1章 福島を生きる詩人たち
- 1 言葉の論理性と倫理性
- 2 感情の本分を担う
- 3 代弁する表現者
- 第2章 「あいまいな日本」の原発
- 1 核の戦後史
- 2 日本人の根本のモラル
- 3 沖縄と原発、そして安保
- 4 原発推進勢力の歴史的責任
- 第3章 『神様2011』が示すもの
- 1 未曽有の事態をどのように認識するか
- 2 書き換えと2011年の状況
- 3 事故から二年半後の現実
- 第4章 ブドリと共に「想定外」を生き抜くために
- 1 天災と人災をめぐる想像力
- 2 対立した物語の評価
- 3 科学と宗教と文学
- 4 科学の二面性
- 5 死者と共に生きる
- 第5章 「3.11」と夏目漱石ーー「現代日本の開化」から100年
- 1 1911年の「現代日本の開化」
- 2 二つの「開化」と資本主義
- 3 「自己本位」を出発点に
- 第6章 死者との対話を持続するために
- 1 死者たちを思い起こす
- 2 生き延びて来られた人たち
- 3 死者への呼びかけ
- おわりに