3月号、「筆者からひと言」欄の掲載文です。
11月号の二宮厚美さんインタビュー「新しい政治状況と経済危機の打開」への筆者コメントをいただきました。
本インタビューの収録は、いま手帳で確かめてみると、昨年9月4日に行われたものだった。総選挙の5日後のことである。総選挙によって政権交代が起こるだろう、ということは事前にほぼ予想できたが、当時は、民主党政権がどういう体制とビジョンで国政の舵取りにむかうのか、という点については明確ではなかった。そこで私は、小沢代表以降の民主党の性格、そして日本経済の現況に照らして予想される将来の政策的争点を検討してインタビューに臨んだ。それに若干の補正を加えて仕上げたのが拙稿である。これに比較的多数の方から感想が寄せられという。筆者としては、望外の喜びである。
その後、私は、民主党政権下の日本の当面する課題を3点にまとめ、そのいわば三位一体的解決をはかる視点から、現在の鳩山政権を評価するようにしている。それは、(1)格差・貧困問題の深刻化に典型をみる社会的破局の打開、(2)現在進行中の経済的破綻の克服、(3)深化する未曾有の財政危機への歯止め、の3点である。この3つを統一する視点は、第一次所得分配の是正に並行する「垂直的所得再分配の再構築」に求められる。垂直的所得再分配の観点からみれば、現在の鳩山新政権は○と×の両面を含むものの、とうてい合格点を与えるには至らない。
この点については詳述できないから、拙稿の続編というべき近刊の『新自由主義か新福祉国家か』(渡辺治・二宮厚美・岡田知弘・後藤道夫著、旬報社刊)で書いておいたので、参考にしていただくと幸いである。(二宮)
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★「アジアへの視点 日本の課題」特集では、伸張いちじるしく、世界経済の中軸に発展しつつあるアジアを取り上げます。平和と共同のアジアへ向けて、もとめられる「視点」とは
★討論「労働者派遣法の抜本改正・最賃引上げを」
国会で、派遣法の抜本改正はまったなしです。「国際競争力」論など、財界側の抵抗論などを、改正に向け、乗り越えるべき論点を批判しています
★もうひとつ、特集が、「コンビニの社会経済学」
全国で5万店、巨大化するコンビニ業界ですが、契約トラブルなど、根深い問題を抱えいます。身近だけれど、知られていないコンビニ問題をとりあげます。
★ルクス君は「なんか、しあわせ〜♪」

以下、おもな目次です。 (続きを読む…)
年末・年始の失業者相談にあたっていた「ワンストップの会」(年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会)から、活動の「中間総括」と、首相、および都知事に対する要請書が、2月1日づけメールで届きました。
1昨年の派遣村とくらべ、今回、公的機関(政府や自治体)が屋根と食事を提供し、生活再建の場を確保したことは大きな前進だといえます。しかし、様々の問題点について、総括をきちんとおこない、今後の恒久的なセーフティネット構築に活かしていくべだという趣意で、ワンストップの会としてまとめられたものです。
両文書のPDFファイルはこちら
●年末年始の生活総合相談事業を受けての要望(鳩山首相、石原都知事あて)
●ワンストップの会・中間総括(2010年2月1日)
内容を読んで、「公設派遣村」を利用した900人のうち、ワンストップの会が、独自に相談に来た人が650人という数字に表れるように、東京都は「生活総合相談」と銘打ちながら、生活保護申請、年明けの就労支援など、具体的な生活再建への相談がきわめて不十分だったことです。「第二のセーフティネット」整備は、至急の課題です。
そして長期化する不況で、働きたくても働けない、それまで何とか生活をしのいできた方が、限界を超える事態が積み重なり、広がっている実態です。「総括」の次の記述は、その状況を示しています。
昨年の「年越し派遣村」と比較して、今回は20代の利用者が大幅に増えましたが、それも不況の長期化と雇用破壊の反映です。今や若者も、雇用破壊のもとで職にありつけない状況がひろがっています。また、生活再建の早さも昨年の年越し派遣村と比較した際の大きな特徴です。1ヵ月前にはホームレス状態にあった人が、今ではアパートに住み仕事に就いているケースも少なからず見受けられます。これは、強い働く意志と高い能力を持っていても、何かのきっかけでホームレス状態に陥らざるを得ない現代社会を反映したものであり、「求職者支援」と「ホームレス支援」を区分する行政の姿勢が誤りであることを鋭く示しています。
2月11日には、同会による「フォロー相談会」がもたれます(13時半〜16時、東京・大塚、ラパスホール)。案内チラシはこちら
30日(土)、特殊法人労連のシンポジウム「鳩山政権の本質−事業仕分け・貧困・天下りを斬る」に参加しました。
昨年、マスコミを連日にぎわせた「事業仕分け」ですが、その中身について、対象となった独立行政法人の現場から問題点を出し合うという中身でした。
冒頭、ジャーナリストの堤和馬さんが、「鳩山政権の事業仕分けと天下りを斬る」と題し講演。事業仕分けの舞台をつくったのは、橋本行革で功績のあった松井孝次氏(元通産官僚)であり、仕分け対象事業の7割は、財務省主計局が選定していることなど、自民党時代の手法をよりドラスティックに進めている実態が明らかされました。
また企画後半では、「貧困と政府系機関の役割」「事業仕分け批判」の2つのテーマで、各特殊法人の労組からの現状報告がありました。
鳩山首相の施政方針でも取り上げられた、独立行政法人、公益法人が「事業仕分け第二弾」の標的となり、住宅事業、政府系金融など、国民の生活に不可欠な部分が切り捨てられようとしていること。また本来、市場原理になじまない、医療のレセプト審査、科学技術研究など公務現場が脅かされている実態が報告されました。
同労連が28日に、行政刷新会議へ行った要請文は、下のリンクで読むことができます。
■構造改革路線の継続=「事業仕分け」を中止せよ(行政刷新会議へ要請)
(2010年1月28日)
いよいよ国会に、派遣法改正が出される動きです。
27日、その「政治主導で抜本改正を」を掲げて、参議員会館内で開かれました。主催は、「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」。様々な労働組合が、派遣法抜本改正で一致して、行動を続けています。
集会を傍聴しましたが、三菱ふそう、日産自動車など、裁判でたたかっている労働者からの訴えからも、通常国会で派遣法改正の早期実現と、実効性のある改正内容としていくことの緊急性が痛感されました。
改正にむけた進展は、一歩前進です。しかし主催側の報告の中でも触れられましたが、今回の改正案のもとになる政策労働審議会の答申(12月27日発表)には、さまざまな問題点が残っています。集会が「政治主導」を掲げているのは、同審議会案にとらわれず、深刻な実態を規制できる法制度を、国会の審議でつくることを求めたものです。
政労委答申の大きな問題点一つは、「製造業務派遣の原則禁止」の中で、「禁止の例外」として、常用型派遣を認めることになっていることです。これは「常用型派遣」という形で、実態として、3か月とかの短期の有期雇用派遣が反復継続していけば、「常用型派遣」とみなされてしまうことになります。答申では、「常用型派遣」の定義がされていないことも問題です。
この点は、昨年6月の民主・社民・国民新党3党案にもなかったことです。
本誌のお知らせになりますが、3月号で、これらの問題点について、誌上討論企画をやりました。どうぞ、お役立てくだされば幸いです。
■討論:労働者派遣法の抜本改正・最賃引上げを
出席 笹山尚人・弁護士
井上久・全労連事務局次長
小越洋之助・國學院大學教授
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