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昂ぶり、期待、不安……上京作家たちが描く「心の姿」とは――
ISBN978-4-406-05632-8 C0095

上京する文學
漱石から春樹まで
定価1,650円(本体1,500円)
2012年10月23日
四六判並製 190P
中学生~高校生以上向き
明治維新で江戸が東京となり、都が京都から東京へ遷った。その時から無数の上京者が生まれ、彼らのエネルギーによって東京は膨張・発展し、そこから多くの文学が創り出されてきた。故郷や家族と離れ、期待と不安に満ちて暮らす上京者は何を思い、描いたのか――その視点から、作家と作品を読み解くユニークな文学入門。
〔目次〕
- そして誰もが上京していくーー『上京する文學』序説
- 1 斎藤茂吉 上野駅のまばゆい明るさに驚いた
- 2 山本有三 ぶら下がった鉄橋の彼方は東京
- 3 石川啄木 甘ったれの借金王、十二階に登る
- 4 夏目漱石 汽車は上京の予行練習だった
- 5 山本周五郎 江戸っ子よりも江戸っ子らしく
- 6 菊池寛 田舎者が描いたモダン都市東京
- 7 室生犀星 東京に「ふるさと」を発見した詩人
- 8 江戸川乱歩 暗く怖い東京は乱歩のせい
- 9 宮澤賢治 愛用のトランクも一緒に上京
- 10 川端康成 浅草で見つけた「大阪」
- 11 林芙美子 芙美子はいつも長い坂を駆け上がる
- 12 太宰治 三鷹陸橋の上からあの日見た津軽
- 13 向田邦子 古く懐かしき東京山の手を描く
- 14 五木寛之 初めての下宿は神社の床下だった
- 15 井上ひさし 軟式ボール欲しさに上京した少年たち
- 16 松本清張 遅れてよかった清張の上京
- 17 寺山修司 東京こそが寺山の「家」だった
- 18 村上春樹 見晴らしの良い高台から見た東京
- あとがき