就職できないのは学生のせいじゃない!
就職難に気が重いあなたへ 時代と生き方を考える
坂井希=著 伊藤彰男=著
50%台まで落ち込んだ大学生の就職率,若者の人格を否定するような企業の「即戦力」志向――リクルートスーツ姿で苦悶する学生の実態と思いに心を寄せ,その大もとに何があるかを考える。ヨーロッパの経験にも学んで打開の方向を提言する。
目次や構成
[目次]
- まえがき
- 第1章 就職活動の風景
―実態と学生たちの思い- 1 働き場所を求めて・・・
- スケジュールに追い立てられ
- 世の中に居場所がなくなる
- 失敗が怖くふみ出せず
- 入りたい会社がない、という感じ
- 2 理不尽がいっぱい
- "まず夢をあきらめてください"
- 内定が出ても喜べない
- すべて個人の問題?本人の責任?
- 1 働き場所を求めて・・・
- 第2章 「厳選採用」「即戦力志向」?
―企業の「能力観」はおかしくない?- 1 即戦力かどうかが大事?
- 正社員を極限まで少なく
- 日本経済にとってもマイナス
- 対策本が送るメッセージ
- 2 企業の「能力」観はまともか?―その歴史を追って考える
- 潜在的能力とその開発、評価
- 能力主義管理と会社人間
- 能力主義の徹底による労働力流動化
- 「成果で能力を測る」が最近の方向に
- 働くことと人間の能力を考える
- 学卒者の「異議申し立て」
- 1 即戦力かどうかが大事?
- 第3章 学問を通して身につく力とは
―若さの持つ可能性と大学の本来のあり方- 1 社会的存在としての青年
- 青年期という時代
- 学生の役割と状態をめぐって
- 2 学問を通して獲得される力
- 生きる力はどうなっているか
- 就職をめざす学生の姿とその可能性
- 学生に学びへの思いを聞くと
- 大学で獲得すべき力は何か
- 学生の力を育む大学教育の努力
- 就職能力の形成と大学でどう学ぶか
- 1 社会的存在としての青年
- 第4章 キャリア形成と職業能力開発の課題
―ヨーロッパ諸国と日本を比べながら- 1 ヨーロッパの就学と就業の実情
- EU圏の経済、地域格差、雇用
- ヨーロッパの職業教育を考える
- 働く能力の向上のための制度
- 硬直した日本の採用のあり方
- 2 日本を振り返る
- 大学生の専門性と職業への移行の問題
- 「キャリア」をどうとらえるか
- 職業能力開発のための教育の課題
- 1 ヨーロッパの就学と就業の実情
- 第5章 雇用拡大をめざして
―政府が考えるべきこと- 1 政治のあり方次第で大きく変わる
- 不熱心さのきわだつ日本政府
- ヨーロッパでは若者の雇用対策がこんなに
- 1 具体策のための考え方
- 確かで力ある労働時間短縮
- ワークシェアリングをめぐる動き
- 教育、医療、福祉、防災など公的分野での雇用拡大
- 職場で困った事態に直面したときのため
- 1 政治のあり方次第で大きく変わる
- 第6章 声を上げることの大切さ
―ある運動が示したもの- 1 「泣き寝入りしない会」の旗揚げ
- やっぱり私たちだけじゃなかった
- 予想をこえる反響のなかで
- 動かぬ証拠で労働省を動かす
- マスコミの実際とぶつかった壁
- 後に続く人に同じ思い味わわせたくない
- 2 「会」が切り開いてきたもの
- いろいろな成果、つくった世論
- 「会」メンバーのその後の生き方
- 運動はひきつがれて
- 1 「泣き寝入りしない会」の旗揚げ
- 第7章 就職した後の話
―賃金や労働条件をめぐる権利の知識- 給料
- 労働時間
- 残業
- 有給休暇(有休、年休)
- 解雇とたたかう
- 突然会社が倒産!どうする?
- 社会保険・雇用保険
- 女性の権利
- 育児休暇制度
- 派遣労働者の権利
- 労働組合とは
- あとがき
著者情報
坂井希
日本共産党ジェンダー平等委員会事務局長。1972年生まれ。東京大学教育学部卒。在学中、「就職難に泣き寝入りしない女子学生の会」初代代表をつとめる。著書に『就職難に気が重いあなたへ 時代と生き方を考える』(共著、新日本出版社、2003年)がある。
就職難に気が重いあなたへ 時代と生き方を考える
定価1,870円
(本体1,700円)
2003年7月
伊藤彰男
就職難に気が重いあなたへ 時代と生き方を考える
定価1,870円
(本体1,700円)
2003年7月