
1955年4月12日15時5分、東京・国分寺で、カラオケのマイクをちょっと細くしたくらいの大きさのロケットが、水平に発射された。この「ペンシル」と呼ばれるロケットの実験が、日本を宇宙の舞台へと飛躍させる劇的な幕開けとなる。それは、敗戦のどん底から未来をめざす日本の人々へ送った「逆転の翼」でした。
目次や構成
〔もくじ〕
- カラー口絵 宇宙への扉をひらくロケット野郎たち
- はじめに
- 第1部 宇宙時代のパイオニア(開拓者)たち
- 1章 ツィオルコフスキー ― 宇宙に橋をかけた男
- 2章 宇宙時代の主役 ― コロリョフ
- 3章 フォン・ブラウンの野望
- 第2部 ペンシルロケットの物語
- 4章 糸川英夫の夢
- 5章 日本のロケットのはじまり
- 6章 ペンシルロケット発射! ― 日本の宇宙開発の開幕
- 第3部 ペンシルから半世紀、そして未来へ
- 7章 大型化への第1歩 ― ベビーロケット
- 8章 宇宙科学とともに
- 9章 それからの半世紀
- あとがきにかえて ― 日本の知的貢献
- 引用・参考文献一覧
- 野口聡一さん推薦!
- 「私が運んだペンシルロケット」の物語
- 大きな夢というのは、実現するまでに、ずごく長い時間がかかることがあります。私が運んだペンシルロケットも、50年前はじめて打ち上げられ、ずいぶん長い時間をかけてついに宇宙ステーションまで来ました。みなさんの夢もいつか実現するよういのっています。」(宇宙飛行士)
著者情報
的川泰宣
1942年(昭和17年)広島県呉市生まれ。1965年(昭和40年)東京大学工学部宇宙工学コース卒業。1970年(昭和45年)東京大学大学院博士課程修了。東京大学宇宙航空研究所をへて、文部科学省宇宙科学研究所、鹿児島宇宙空間観測所所長、対外協力室教授。現在、宇宙航空研究開発機構 執行役、宇宙科学研究所 対外協力室長・教授。工学博士日本宇宙少年団理事。