
この本の主人公は、重度の脳性まひがある「ともっち」こと山下智子さん。24時間介助が必要なともっちさんですが、楽器も弾くし、水泳もするし、ゲームもする。サッカーJリーグの観戦にも出かけます。障がいがあるからできないわけじゃない、工夫と行動でみんなと同じをやってきたともっちさんの半生記はすごいですよ。
目次や構成
<目次>
- 第一章 障がいってなに? 障がい者ってだれのこと?
- 障がいも脳性まひもみんなそれぞれ十人十色
- 障がいがある/ないって?
- 障がい児だと思っていなかった障がい児
- ちょっと……いや、それなりにまじめに障がい者教育の歴史をたどる
- 障がい児と呼ばれることがイヤだった
- 友だちってなに? ひとりぼっち同士が手をつなぐ
- 第二章 子ども時代 障がいのある「ふつう」の暮らし
- 障がい児でも特別扱いしない「ふつう」の子育て
- きっと空も飛べるはず!? パーマンセットでヒーロになる!
- 床に座って絵を描く絵画教室
- 行きたいところがあれば、車いすでどこへでも
- 自立を可能にするのは、たくさんのつながり
- かわいい子には、キャンプと自立
- 恋愛に障がいは関係ない マイノリティの恋愛事情
- 大人にもレスパイト 互いにウィンウィンな寄宿舎生活を満喫する
- 第三章 特別支援学校時代 自分でご飯を食べられなくても勉強はできる
- 言語障がい=知的障がいという誤解 教科書で勉強がしたいのに
- 障がい者の一番しあわせな進路は、作業所という思い込み
- 「できなくて、当たり前」が、「くやしい、勝ちたい」へ変わった障がい者スポーツとの出会い
- 夢に制限をもうけない 水泳でパラリンピックへ
- 指1本で弾く電子ピアノが教えてくれた音楽の楽しさ
- 特技を伸ばす環境はどこにひそんでいるかわからない
- 障がいがあっても、能力を発揮できる選択がしたい
- 第四章 自立生活を始めてから 重度障がいがあっても一人暮らしはできる
- 願いを実現するためのアクションをするから実現する
- 24時間365日快適にケア(介助)を受ける方法 自分で介護事業所を立ち上げる
- 福祉の勉強をする以上の経験が得られた専門学校時代
- いまの障がい者福祉制度の下で、重度の障がいがあって働こうと思ったら、国会議員になるか、親と一緒に住むかしかない
- 子ども時代からいろいろな体験をする
- やりたいことを実現するには、介助者とのコミュニケーション
- ディズニーランドは、さすが夢の国だった
- 第五章 障がいがあるから、社会を変えてきた
- 想定外のエントリーで世界新記録
- 水の中にも3年 浮き具なしで、命がけのパラリンピックを目指す
- 地域の水泳大会で市民に感動を巻き起こす
- ボッチャでも世界へ! 目指せ、パラリンピック
- ともっちの歴史は、ヴェルディとともにあり
- ポジティブモンスターとはいえ、鬱になることもある
- テクノロジーで夢を実現! 人型ロボットOriHimeと視線入力EyeMotで、スナックママになる
- 校長先生のスピード英断 Orihimeで小学生に授業
- アイドルを追っかけて全国へ 障がい者にもやさしいライブをともにつくる
- 全人類が楽器を弾ける世界を創る
- ゲーマーのすすめ
- 通る側から社会改革
あとがき
はじめに
著者情報
今村美都
1978年福岡県生まれ。津田塾大学国際関係学科卒、早稲田大学大学院演劇映像専修修士課程修了。博士課程在学中に、オールジャンルのダンスを網羅するダンス雑誌の編集者に。その後、スカパーの演劇専門チャンネル、老舗化粧品メーカーの新規事業コスメラインのコピーライターを経て、医療コンサルを手がけるIT企業へ。「闘病記」をメインコンテンツとする、がん患者・家族向けのアプリ・コミュニティサイト事業の立ち上げメンバー・編集長として参画。がん患者団体・支援団体、がん専門医、緩和ケア医など、がん医療の最前線で活躍する人たちにインタビューする機会を数多く得る。結婚・出産を機に、医療福祉ライターとして独立。人生の最終章の医療・介護というテーマがライフワークに。翻訳協力『「患者中心」で成功する病院大改造』(2016年、医学書院)、共著『がん闘病記読書案内』(2010年、三省堂)、執筆協力『病院で使う言葉がわかる本』(2010年、実業之日本社)。

「不」自由でなにがわるい 障がいあってもみんなと同じ
定価1,650円
(本体1,500円)
2025年2月