
2000年1月に設置された憲法調査会。そこで展開されている議論の中心点は何か。新しい改憲論を徹底検証し,21世紀に輝く日本国憲法の意義を明らかにする。憲法と現実のへだたりを広げる小泉政治の責任を追及し,憲法擁護の大運動を訴える。
目次や構成
[ 目次]
- はじめに
- Ⅰ 21世紀の日本の進路と憲法をめぐる攻防 川村俊夫
- はじめに ―歴史の本流と逆流と
- 1 テロへの対応と世界の平和秩序
- 2 アメリカの世界戦略と憲法改悪
- 3 憲法調査会は何を「調査」してきたか
- 4 戦後の改憲の動きはどのように展開されてきたか
- Ⅱ 今日の改憲論を検証する
- 1 平和主義をめぐる議論の過去・現在・未来 小沢隆一
- はじめに
- 1 憲法九条はどう論じられてきたか
- 2 1990年代以降の議論
- 3 最近の九条改憲論と平和主義の未来
- 2 「改憲」論と人権 倉持孝司・倉持原志
- 1 あらためて確認したい日本国憲法の人権条項の画期性
- 2 日本国憲法が規定する人権の種類
- 3 「改憲」論は人権条項をどう変えようというのか
- 4 人権の現状はどうなっているのか
- 補論 首相公選で政治は国民のものになるのか 奥野恒久
- はじめに
- 1 首相公選制をめぐる動き
- 2 さまざまな首相公選論
- 3 首相公選論登場の背景
- 4 憲法学の応答
- おわりに
- 1 平和主義をめぐる議論の過去・現在・未来 小沢隆一
- Ⅲ 日本国憲法の先導性と現実政治のへだたり 小林 武
- 1 世界史のなかの日本国憲法―その先駆けの役割
- 1 「九・一一」後の事態のなかで考える
- 2 世界憲法史を一歩進めた日本国憲法
- 2 憲法からのへだたりをもたらした政治―憲法が「古くなった」のか?
- 1 政権の政治的必要に合わせた憲法「解釈」
- 2 違憲の政治と協働してきた最高裁判所
- 3 憲法で生きる二一世紀を―むすびとして
- 1 憲法の奔流とのせめぎ合いの局面
- 2 国民が支える日本国憲法の歴史進歩の力
- 1 世界史のなかの日本国憲法―その先駆けの役割
著者情報
憲法会議

憲法問題の焦点 ―現代改憲論の検証―
定価1,760円
(本体1,600円)
2002年3月