
歌集「みだれ髪」で歌壇に登場し,鉄幹との恋愛,性愛タブーへの挑戦,「君死にたまふことなかれ」の論争など,今なお読み継がれる晶子。教育や社会問題まで多面的に発言した晶子が生きた時代背景,女性解放運動との関わりをめぐる評伝。
目次や構成
[目次]
- はじめに
- 第一章 歌人・与謝野晶子の誕生
- 自覚的人生のはじまり
- 歌を一般民衆のために解放
- 鉄幹、流浪の青春時代
- 第二章 『みだれ髪』の衝撃
- 「明星派歌人」への出発
- 晶子と山川登美子
- 鉄幹、流浪の青春時代"ますらおぶり"から"たおやめぶり"へ
- 性愛タブーへの挑戦
- 第三章 「君しにたまふことなかれ」と日露戦争
- 「君しにたまふことなかれ」の発表
- どちらが真の愛国者か
- 日本女子大「『恋衣』事件」
- 日露戦争後の評論活動
- 石川啄木の確かな目
- 第四章 「山の動く日来る」のよびかけ
- 平塚らいてうとのかかわり
- 「母性保護論争」の発端
- 晶子の国家観
- 「大逆事件」と晶子
- 第五章 欧州外遊と大正デモクラシー
- 鉄幹の欧州外遊
- 晶子のヨーロッパ女性観察
- 晶子の教育政策論
- シベリア出兵に反対
- 宮本百合子の晶子論
- 米騒動おこる
- 第六章 晶子の教育理念、作家との交流
- 文化学院の愛と自由の教育
- 森鴎外の死去
- 晶子、百合子の初期作品を論評
- 関東大震災
- 新婦人教会の創立と女性の社会参加
- 多岐にわたる大正期の評論活動
- 第七章 日中戦争の嵐の中で
- 鉄幹・晶子、中国東北部からモンゴルへ
- 衰えぬ晶子の筆鋒
- 発言に微妙な変化
- 『新新訳源氏物語』完結
- 歌壇にもファシズムの嵐
- あとがき
- 人名索引
著者情報
入江春行

与謝野晶子とその時代 女性解放と歌人の人生
定価2,310円
(本体2,100円)
2003年4月