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美しい島が連なる八重山諸島での大きな傷跡!

沖縄戦の記録 日本軍と戦争マラリア

宮良作=著

定価1,980円(本体1,800円)

出版年月
2004年2月
ISBNコード
978-4-406-03041-0
仕様
0021/ 四六判並製/ 198P
タグ
芸術・生活    記録・回想・エッセイ   
在庫状況
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 沖縄戦の中で、石垣島に駐屯した約1万人の日本軍は食料に窮し、波照間島の全住民(1671人)を西表島の未開地域に強制疎開させて、牛・馬・豚などの家畜を大量に強奪した。住民はほぼ全員がマラリアに感染し3分の1の人々が命を落とした。4000人の犠牲者を出した八重山諸島の「戦争マラリア」を追い、日本軍の犯罪を告発するドキュメント。

目次や構成

「はじめに」より

一九四四年の終わり頃には沖縄の日本軍は、糧秣が危機的状況になっていました。(中略)軍隊は住民を脅して食料を横取りしていきました。その最たる暴挙が、波照間島、黒島での牛など家畜の奪略です。

住民たちは、こわい伝染病であるマラリアを媒介するハマダラ蚊が多く棲む山谷に追い出されて、食料を略奪された上に、マラリア病にかかって死んでいきました。八重山全体では、戦争中のマラリアが原因の死者が四〇〇〇人近くにのぼったのです。

「備えあれば憂いなし」という言葉は、国民の頭を混乱させることに長けた政治家たちがよく使います。しかし、憂いを招かないためには軍隊の備えはないほうがよいのです。軍隊がいるところで殺し合いが行われたことがそれを示しています。

(中略)

「備えあれば憂いはかならず生まれる。」

これがこの事件の真実ですし、教訓です。この本には、なぜこういう酷いことがやれたのか、その内面もえぐって書きました。

(中略)

私は通算一一年、この事件を追い続けました。当然ながら、一五年戦争、沖縄戦との関連で追いました。そうしながら何時も頭の中に大きな比重を占めていたものは、現在の米軍基地とそれに連結している自衛隊基地でした。日本軍が沖縄戦の呼び込むために造った基地を、米軍が国際法規を無視して強化し使い続けています。

(中略)

私は、戦争反対、命を守れの願いに加え、軍事費を削って一五年戦争の被害を国民に補償してほしいとの思いを込めて、この戦争マラリア事件を追い続けてきました。

著者情報

宮良作

1927年沖縄県与那国町生まれ。中央大学卒業。アメリカ占領軍のパスポート拒否にあって20年間沖縄に帰れず狛江市議会議員を16年。その後、沖縄県会議員を歴任。著書に『湖南丸と沖縄の少年たち』『わすれな石』がある。

沖縄戦の記録 日本軍と戦争マラリア

沖縄戦の記録 日本軍と戦争マラリア

定価1,980円
(本体1,800円)

2004年2月