
就業者の65%を占める第三次産業、なかでも増大を続けるサービス業の現状と問題点を分析。サービス産業には雇用の拡大、中小企業の復権、地域間不均衡の是正、景気の下支えなどが説かれたが、現実にはどうなっているのか。「構造改革」路線ではなく、教育・医療・福祉など公共サービス部門の拡充による雇用の安定と経済再生への道を説く。
目次や構成
[目次]
- はじめに
- 第1章 サービス産業研究の課題
- 第一節 サービス産業の発展
- 第二節 サービス経済化をいかにとらえるか
- 第三節 サービス経済化がもたらしたもの
- 第四節 構造改革とサービス部門
- 第2章 サービス経済化をめぐる学説の変遷
- 第一節 脱工業社会論の未来予測
- 第二節 脱工業社会論への批判
- 第三節 グローバル経済化とサービス産業の再評価
−−低コスト化の担い手としての企業関連サービス
- 第3章 サービス経済化がもたらした諸結果
- 第一節 サービス産業の雇用吸収力
- 第二節 サービス産業と中小企業
- 第三節 サービス産業による景気下支え
- 第四節 サービス経済化と地域構造
- 第4章 サービス産業成長の要因
- 第一節 サービス業の成長
- 第二節 産業活動におけるサービス投入の増加
- 第三節 家計におけるサービス消費の増加
- 第四節 サービス業の低生産性
- 第5章 構造改革とサービス部門
- 第一節 構造改革の推移
- 第二節 九〇年代日・米両国におけるサービス部門就業者数の推移
- 第三節 『骨太の方針』における雇用創出見通しの検討
- 第四節 公共サービス拡充による経済再生
- 第6章 需要不足経済からの脱却
- 第一節 需要不足状態からの脱却
- 第二節 新需要開拓による成長シナリオ
- 第三節 二〇一〇年の産業構造・雇用構造推計
- 第四節 新成長政策部会報告の問題点
- 第7章 サービス業雇用回復の現状
- 第一節 第三次産業活動指数からみたサービス業の推移
- 第二節 産業構造審議会・新成長政策部会によるサービス業雇用の検討
- 第8章 サービス業雇用拡大の現状
- 第一節 サービス業による雇用吸収の推移
- 第二節 サービス業の業種別動向
- 第三節 成長業種の推移
- 第四節 サービス産業による雇用吸収の限界
- 第9章 米国・自営サービス業の増加について
- 第一節 日・米における自営業層の推移
- 第二節 アメリカでの自営サービス業の増加
- 第三節 自営サービス業の日・米比較
- 補論 産業分類の改訂とサービス産業
- 第一節 産業大分類の改訂・新設
- 第二節 新設大分類の現行分類との対照
- 第三節 新旧分類の具体的比較
- [初出一覧]
著者情報
飯盛信男
1947年生まれ。九州大学経済学部研究科博士課程修了。現在、佐賀大学経済学部教授、経済学博士。著書=『生産的労働の理論』『日本経済と第三次産業』『規制緩和とサービス産業』『経済再生とサービス産業』ほか多数。

サービス産業
定価2,310円
(本体2,100円)
2004年1月