
一生に一回だけ地上数十メートルの結婚飛行をする女王アリ、特定のリズムで一斉に明滅するホタル、食物連鎖のトップに立つスズメバチは怖いが豊かな自然の証……。私たちの最も身近な生きもので人間とは別の進化の道を辿った友だち=昆虫<自然>に直接ふれあって、「命を実感する」ことの大切さ、環境を守る意義を考える。
目次や構成
[目次]
- はじめに − 生命の尊さとはかなさ
- 1 虫<自然>は友だち
- ちがう道を選んだ友<虫>に学ぶ
- 小さなアリに大きなドラマが
- 何千の集団も始まりは1頭の女王アリから
- ホタルの光の謎
- たくましい自然とデリケートな自然
- 誤解される虫
- 意外にいるぞ、身近に野鳥が − バードウォッチング
- 生きものたちのふるさと − 水辺環境
- 異常発生!? − タヌキがやってきた
- <死>を教えることは<生>を学ぶことに
- 匂(フェロモン)が支配する世界
- いかに生き残るのか
- 心なごむ雑木林の四季のすばらしい変化
- 厳しい冬に知恵をしぼる虫たち
- 偏見と無知 − ネコから教わったこと
- 絶滅させるのも、救うのも人間
- ウォッチングに出かけよう
- 里山を守ろう
- 大都会「ハマの緑」を守ろう
- 2 スズメバチ−怖いだけではない
- 進化がよく見えるハチの仲間
- 名ハンターたちの必殺技
- 巧みな一級建築士 − スズメバチの見事な巣
- ?一刺し?の恐怖
- 都会に進出するスズメバチ
- 緑を守ることとスズメバチ
- 3 スズメバチ探索紀行
- 東南アジアにスズメバチを求めて
- 世界に誇る「東洋のガラパゴス」 − 石垣島・西表島へ
- 亜熱帯の自然と人との出会い − タイワン
- メコン川・オウゴンスズメバチ・ベトナム戦争 − ベトナム
- パゴダとおしろいと納豆と − ミャンマー
- 穏やかで緑豊かな自給自足の国 − ラオス
- チェンマイ大学キャンパスに珍種が − タイ
- ヤミスズメバチを目ざして − マレーシア
- あとがきにかえて
著者情報
中村雅雄
1948年生まれ。日本昆虫学会会員、日本応用動物昆虫学会会員。スズメバチ研究者。主な著書に『スズメバチのしゅうげき』『スズメバチの逆襲』『スズメバチ』がある。

虫<自然>は友だち
定価1,980円
(本体1,800円)
2004年3月