
さあ、ご一緒に健康で生きがいある老後を!
老いてはつらつ
橋本宏子=著
長寿世界一の日本のお年寄り。でも長生きは幸せ?お年寄りにつめたい福祉行政のもとで介護や健康など心配なことばかり。でも工夫の仕方によって老後を楽しく上手に生きることも出来ます。五十歳を過ぎてから単身赴任で大学教員になった著者が、健康・食事・お金・住まい・生きがいなど、長生きの素敵なヒントを語ります。
目次や構成
[目次]
- まえがき―人生のゴールをながめながら
- 1 年をとって見えてきたこと
ようやくむかえた七〇代/年をとるのも悪くない/長生きは幸せかしら?/高齢者問題は女性問題―ジェンダーの視点から/自立できない高齢女性/介護は依然として女性の仕事/「発達」の可能性を生かして/私の青春と戦後の時代
- 2 老いの発達学
年をとってできるようになったこと/単身赴任のときの工夫/「老年学」の研究から/老年期の発達課題/「老化についての作り話」/知能についての研究/脳と老化/学ぶことはいつでも可能
- 3 健康が第一 ―高齢期を楽しく生きる(1)
健康をたもつためのふだんの努力/自分に合ったスポーツを/意外に楽しい社交ダンス/お医者さん通いのつもりでプールへ/たのしくウォーキング/フットワークは靴がポイント/マッサージよりも筋トレを/できるだけ身体を動かす/外出も積極的に/骨密度を測定する/眼鏡のこと/補聴器のこと/集音器/歯について
- 4 食事を大切に ―高齢期を楽しく生きる(2)
年齢に合わせ食生活の見直しを/ひとりでの食事のたいへんさ/楽しい寄合所をつくろう/寄合所「おたがいさま」
- 5 お金の話 ―高齢期を楽しく生きる(3)
女性を自立させない年金制度―年金は個人単位に/自分の自由になるお金を/五六歳で初めての常勤職に/「妻」を経済的に保障する
- 6 趣味や旅行で生き生きと ―高齢期を楽しく生きる(4)
趣味は「お遊び」ではない/私の趣味は読書・研究/悪戦苦闘してパソコンにも挑戦/たまにはオペラや観劇も/おばあさんの原宿やなつかしい浅草へ/自分の世界を広げる旅行/思いきって海外旅行も/"日本がよく見える"/激動寸前の中国や崩壊直前のソ連へ
- 7 住まいについて ―高齢期を楽しく生きる(5)
老後の住まいの選択肢/マンションか一戸建てか?/簡単ではない二世帯住宅/減っていく子どもとの同居/住み慣れた自宅で暮らすために/有料老人ホームのこと/老人ホームはよく見学してから/公的補助のある住宅/住み替えはよく調べてから/出身地へUターン/本の山に閉口して/仕事に合わせて引越し/単身赴任中、娘一家が夫と同居/対等な自立した夫婦の暮らし/ひとり暮らしになったとき/超高齢になったときは/保育所づくりから高齢者施設づくりへ/わが子を預けるための保育所づくり/デイサービスセンターがほしい/特養ホームをつくろう
- 8 老いて介護をどうするか
老老介護の心配/「嫁」に介護の義務はない/介護の強制が夫婦の危機に/自己決定で人生をまっとうする/介護を必要とするようになったら/施設の利用について/介護労働者に自立できる賃金を
- 9 人生のゴールを考える
ガンのお見舞いに行って/死を受け入れれば怖くなくなる/自分らしい人生の終わり方/人生の終末に関する「自己決定」/私の「シンダラノート」/お葬式のこと/残される人のために遺言を/シンプルライフよりももの持ちライフを/子どもに残すもの―親は使いきる/女性には最後のときこそ幸せを感じてほしい
- 10 女性福祉と少子・高齢社会を考える
効果のなかった子育て支援策/根強い固定的な性役割意識/政治にふりまわされる「生む性」としての女性/子育ての責任を個人に押し付け/少子化を招いているジェンダーの壁/先進諸国の子育て予算/日本の子ども・女性対策/積極的に新しい社会づくりを/自己決定権の保障は世界的な課題/すべての人が人生の主人公になれる社会を
- あとがき
著者情報
橋本宏子
1929年東京生まれ。元熊本学園大学教授。福祉労働問題研究者。

老いてはつらつ
定価1,540円
(本体1,400円)
2004年9月