
会社が経営危機に陥っても、その大半は完治する「病気」だ! 「経済合理性」で企業をひとくくりにするアメリカの発想に異を唱え、中小企業の立場に立って、倒産という不安に苦しみ悩む経営者と社員に、会社再建のポイントを解説する。また、各種企業類型別に、実際の経営危機脱出のドラマを再現し、知恵と工夫で再建が可能なことを「体感」できる、勇気の湧き出る書。
目次や構成
[目次]
- はじめに
- Ⅰ 会社が苦境に陥り、苦しみ悩んでいる経営者とそのご家族および金融機関の方々に伝えたいこと
- 一 参議院の財政金融委員会に参考人として出席して述べたこと
- 二 力ない幼い子ども達こそ、倒産の究極の被害者だ
- 三 死を考えた社長がヤミ金融の「心の鎖」から解放されるまで ―人間として、財産よりも大事なものを見失ってはならない―
- 四 連帯保証人の解除と有限責任論
- 五 金融機関担当者の方々へ願う ―中小企業の経営者、従業員の声なき苦痛の叫び声を感じ取ってほしい!!―
- 六 破綻懸念先企業にも再建の機会と仕組みを
- Ⅱ 会社再建のポイント
孫子曰く『彼を知りて己を知れば百戦殆うからず』
- 【社内対策】
- 一 適材適所の人員配置 会社再建のポイント その1 ―社員アンケートの重要性の再認識―
- 【債権者対策】
- 二 金利対策 会社再建のポイント その2 ―金利引き上げ要請への対処法―
- 三 経営者続投の重要性 会社再建のポイント その3 ―民事再生手続きをとりながら経営者の交代を是とする風潮に対する異論―
- 四 支払い条件の明確化 会社再建のポイント その4
- 五 返済計画と返済期間 会社再建のポイント その5 ―債権者も債務者も「返済期間」に拘束されるあまり、企業再生の芽を摘みとってはいないか―
- 六 違法行為とコンプライアンス 会社再建のポイント その6 ―債権者に問う!!債権回収業務におけるコンプライアンスとは(商法四八六条特別背任罪)―
- 【社内対策】
- Ⅲ ドキュメント 倒産の淵から蘇った会社達
―会社再建の現場から(光麗法律事務所 事件ファイルより)―
- 一 [取引依存度の恐さ]―製造業の会社再建の場合
- 二 [税金滞納の恐さ]―卸・小売販売業の会社再建の場合
- 三 [金融機関による貸し剥がしの恐さ]―食品メーカー再建の場合
- 四 [過剰債務の恐さ]―旅館・ホテルの会社再建の場合 ―再建のポイントは「集客力(稼働率)」をいかに上げるか―
- 五 [保証債務の恐さ]―建設業の会社再建の場合
- 六 [医は算術の恐さ]―病院再建の場合 ―そもそも「病院」は利益追求を極める再生には向かないのでは―
- おわりに
著者情報
村松謙一
弁護士。1954年生まれ。静岡県清水市出身。1977年慶應義塾大学法学部卒業。1983年東京弁護士会登録。主な著書=『倒産阻止』(東洋経済新報社、2002年)、『会社再建の実務Q&A』(オーエス出版、1996年)、『こうすればゼッタイ倒産しない(株式・有限)会社になる』(オーエス出版、1991年)など多数。

倒産の淵から蘇った会社達 会社救済の現場から
定価1,760円
(本体1,600円)
2005年3月