
ジュール・ヴェルヌがSF『地底旅行』で描いた世界。それが当たらずとも遠からずと言えるような現象が実際に存在する――プレートテクトニクス理論、超高圧実験、地震波トモグラフィーなど、先端科学によれば、地球内部には、豊かな宝石鉱物、貴金属、そして生き生きした地球の躍動が。驚きの世界へあなたを招待します。
目次や構成
〔目次〕
- まえがき
- 1 未知の旅に出よう!
- ヴェルヌの『地底旅行』
- 現代の地底旅行
- 2 地球内部の運動と構造
- プレートテクトニクス
- 地球内部の層構造
- 3 沈み込むプレートに乗って
- 出発
- 地底探検車「ダイヤモンド号」
- 地震の巣
- 4 上部マントルの物質学
- マントルは宝石箱
- 超高圧実験
- 5 横たわるプレート
- かんらん石の相移転
- 地震波がとらえたプレートの形
- 六百六十キロメートル不連続面の謎
- 放射光を用いた"その場観察"
- 6 下部マントルをゆく
- 単調な旅
- D"層
- 新しい高圧層、ポストペロフスカイト
- 計算機の中で地底を再現
- 7 中心核へ
- 対流する鉄の海
- 貴金属の宝庫
- 地球の中心
- 8 上昇するプリューム
- 外核の組成対流とマントルプリュームの発生
- スーパープリューム
- マントル遷移層・・・もう一つの海?
- ダイヤモンドの起源
- 新しいダイヤモンドをつくる
- 9 帰還
- ハワイの休日
- 海洋プレートに乗って
- 旅のおわり
- 参考文献
- あとがき
著者情報
入舩徹男
1954年生まれ。愛媛大学理学部教授、同大学地球深部ダイナミクス研究センター長。専門分野は地球内部物性、高圧地球科学。 1978年京都大学理学部卒業、80年に名古屋大学大学院理学研究科博士前期課程、84年に北海道大学大学院理学研究科博士後期課程を修了。その後、オーストラリア国立大学地球科学研究所博士研究員、北海道大学理学部助手、愛媛大学理学部助教授などを歴任して現職。著書に『地球内部の構造と運動』(共著、東海大学出版会)など。

ダイヤモンド号で行く地底旅行
定価1,760円
(本体1,600円)
2005年9月