
国際的にみて異常に高い日本の学費。政府・財界による規制緩和、「教育の私事化」の流れは「経済的格差による教育上の差別」を激化させている。本書は、戦後の教育条件を歴史的にふり返り、憲法・教育基本法の精神や国連・人権規約の「無償教育の漸進的導入」の実現への道を、教育行政と学費の現状をふまえ実証的に解明。
目次や構成
〔目次〕
- 序章 国際的・歴史的にみた「学費」の考え方
- 1章 日本の学費の現状をどうみるか
- 2章 占領期から国際人権規約の登場までの教育条件
- 3章 国際人権規約と国民の教育権
- 4章 ひろがる経済的格差と重い教育費負担
- 5章 学生生活費のきびしい実態
- 6章 授業料値上げに反対の声あいつぐ
- 7章 私立大学生の支出にみる地域別特徴
- 8章 増大し続ける学費負担が困難な階層の人たち
- 9章 「無償教育の漸進的導入」実現をめぐる歴史
- 10章 授業料の考え方と「受益者負担」の論理
- 11章 教育をめぐる民主的な国内法と国際法規
- 12章 より良い教育条件のための民主的な経済政策
- 終章 「無償教育の漸進的導入」実現への政治の役割
- あとがき
- 索引
著者情報
田中昌人
1932年東京生まれ。京都大学教育学部卒業。京都大学名誉教授、人間発達研究所所長、大学評価学会共同代表。生涯発達心理学・教育指導・障害者問題・発達保障論専攻。『講座・日本の教育』(共著、新日本出版社)など著書多数。

日本の高学費をどうするか
定価2,420円
(本体2,200円)
2005年11月