真実に好奇心、未来を見つめる 新日本出版社真実に好奇心、未来を見つめる 新日本出版社

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「今」を生きる学生の姿から出発する大学教育論

大学生が変わる

新村洋史=著

定価2,200円(本体2,000円)

出版年月
2006年6月
ISBNコード
978-4-406-03299-5
仕様
0037/ 四六判上製/ 253P
タグ
芸術・生活    教育   
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「低学力」「希薄な人間関係」などと指摘されて久しい大学生。それは彼・彼女たちの真実なのか。文部科学省ペースで進む「大学改革」は、学生の自己形成にどんな意味を持つのか――常に学生たちに寄り添って歩んできた教育学研究者が、長年の調査と政策分析を土台に、日本の大学教育のこれからを骨太に提起した労作。

目次や構成

〔目次〕

  • まえがき
  • 第1章  激変する学生像・大学像
            ―自己肯定感と未来展望をもてない大学生
    • 第1節  私の大学の教養課程検討委員会の議論から
    • 第2節  自己肯定感・自己効力感をもてない高校生・大学生
                ―文部科学省調査を検討する
    • 第3節  未来展望をもてなくさせられている大学生
    • 第4節  学生は主権者意識をもっているか
  • 第2章  学生が学習意欲を感じるとき
    • 第1節  生きた感心の所在を探る
    • 第2節  学生が展望する自己形成と学びの目標
    • 第3節  社会に役立てるための学びを求めて
    • 第4節  自己と社会に対する関心はどのように獲得されるか
  • 第3章  青年・学生の自己形成を左右する社会・文化構造
    • 第1節  能力主義の社会と教育システムによる子ども・青年の囲い込み
    • 第2節  能力主義教育を相対化し自己形成する子ども・青年
  • 第4章  自己形成論と教育論から見た「大学改革」政策の問題点
    • 第1節  大学審議会の学生観・教育観について
    • 第2節  中央教育審議会の大学像
    • 第3節  イギリスにおける新自由主義批判から学ぶ
              ―B・サイモンとS・トムリンソンの批評
  • 第5章  能力主義と学生の自己意識・学習観の動態
            ―能力主義の呪縛と自己解放の過程を見つめる
    • 第1節  能力主義・学校歴社会の囚人のような学生像
    • 第2節  能力主義教育における教養と学力の構造
    • 第3節  能力主義からの自己解放の条件と内面的過程
    • 第4節  学力・学習観の転換と青年・学生の教育要求
  • 第6章  学習共同体と生きる力をはぐくむ教養教育の創造
    • 第1節  「人権を学ぶ」法学の授業づくり
    • 第2節  学習共同体づくりと教養教育の展開
    • 第3節  学習共同体をとおして教養の主人公へ
  • 第7章  自我と教養と主権者への自己形成をめざして
    • 第1節  大学の授業から学生たちが体得する学び方・学ぶ力
    • 第2節  憲法「改正」問題に対する批判と主権者意識の形成
    • 第3節  目標にしたい世界水準の大学像と教育像
  • 注および参考文献
  • あとがき

著者情報

新村洋史

中京女子大学教授。1943年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院法律学研究科修士課程修了(労働法)、東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育行政学)。大学教育学会常任理事、東海高等教育研究所所長、教育科学研究会常任委員。著書に『大学再生の条件』(1991、大月書店、共著)、『何のための大学評価か』(95、大月書店、共著)、『大学ビッグバンと教員任期制』(98、青木書店)、『21世紀の大学像を求めて』(00、水曜社)、『人権の時代』(99、青山社)など。