
昼も夜もよみがえる、血なまぐさい戦場、襲いかかる敵……。米海兵隊員としてベトナムで戦った著者を苦しめたPTSD(心的外傷後ストレス障害)。長期の治療の末、自らの罪に向かい合うことで見えたものとは何か。そして、その目に今の日本はどう映るのか。今日の世界でどう生きるのかを問いかける、衝撃的で貴重な証言。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- I ベトナム戦争とPTSDの日々
- よみがえる戦場の光景
- ホームレスになろうとする帰還兵
- 長く苦しい治療の始まり
- 回復に必要だったもの
- ふたたびベトナムへ
- II 日本と憲法九条について感じてきたこと
- 国全体がPTSDにかかっている
- 日本の憲法九条について
- 沖縄と基地への思い
- 戦争と平和の語り部として
- ダニエルズ先生への感謝の言葉
著者情報
アレン・ネルソン
1947年、ニューヨーク・ブルックリン生まれのアフリカ系アメリカ人。海兵隊員としてベトナム戦争の前線で戦う。帰還後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられるが、長期間の治療でそれをかなり克服。90年代以降、日米両国を中心とした講演活動によって、戦争の現実を訴え続けている。著書に『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」――ベトナム帰還兵が語る「本当の戦争」』(講談社)など。

戦場で心が壊れて 元海兵隊員の証言
定価1,430円
(本体1,300円)
2006年9月