「明白な天命」は、領土拡張が神によって与えられた使命として、イラク戦争をはじめアメリカの対外侵略を正当化する合い言葉となってきた。この「明白な天命」がつくり出した「多数派愛国心」に声をあげ、不服従のたたかいをした奴隷、聖職者、作家らを描き、アメリカにおける反戦の伝統を探る。
目次や構成
まえがき
- 序章 「約束の地」での征服と支配
- 1 「明白な天命」とピューリタン
- 2 ロジャー・ウィリアムズの「危険思想」
- 第1章 インディアン戦争と奴隷の抵抗
- 1 アメリカ独立と「劣等人種」
- 2 フレデリック・ダグラスの証言
- 3 アメリカの「天命」と人種差別
- 4 ハーマン・メルビルの証言
- 第2章 テキサス併合とメキシコ戦争
- 1 メキシコ領テキサスの独立
- 2 ウィリアム・エラリ・チャニングと反戦
- 3 メキシコ=アメリカ戦争
- 4 セオドア・パーカーの反逆
- 5 ヘンリー・ディビット・ソーロウの異議申し立て
- 第3章 「明白な天命」と帝国への道
- 1 「文明化」と領土拡大主義
- 2 スペイン=キューバ=アメリカ戦争
- 3 スペイン=フィリピン=アメリカ戦争
- 4 反帝国主義連盟1
- 5 反帝国主義連盟2 クロスビーとトウェイン
- 終章 戦いの祈り
出所と注
あとがき
著者情報
池上日出夫
1934年生まれ。大阪外国語大学名誉教授(アメリカ文学)。著書に『アメリカ文学の源流 マーク・トゥエイン』『アメリカ黒人の解放と文学』『世界短編名作選―アメリカ編』『独立宣言・奴隷解放宣言とアメリカ』など。
アメリカ 不服従の伝統 「明白な天命」と反戦
定価2,420円
(本体2,200円)
2008年5月