
競争原理と自己責任論を乗りこえ、子ども・青年たちに人間的な結合への欲求、生き方への問い、自尊の感情が芽生え始めている。本書は、政府・与党の「教育改革」に欠落しているものを見すえ、「改正」教育基本法が投げ捨ててしまった教育の根本理念を検証し、豊かな子ども観・教育観と新しい教育運動を提唱する。
目次や構成
〔目次〕
- はしがき
- I 浮かびあがる子ども理解と教育改革の課題
- 日本の子ども・青年の生活感情の特徴
- 人間形成の根本に立ち戻って
- 子育て・教育のための新たな共同へ
- 「発達援助専門職」の仕事とその意味
- 教師たちの教育実践と学校改革の模索
- II 教育基本法「改正」と子ども観・教育観の問題
- 改めて、教育基本法を読む――その性格と理念
- 少年期の自尊の感情と教育基本法――「戦後改革期」の教育を受けた当事者として――
- 教育基本法「改正」法案の子ども観・教育観の問題――教育基本法第二条の意味を中心に――
- III 「教育改革」の展開と子どもたちの声
- 子どもにとっての「原風景」と学校統廃合の問題
- 「全国いっせい学力テスト」と子どもたちの意見
- 衆議院「教育再生に関する特別委員会」公聴会での教育三法案への意見表明
- 学習指導要領改訂の問題と子どもたちの学習要求―中央教育審議会答申を読む――
- IV 子どもたちの声と新しい教育運動――私の教育運動論ノート――
- 「教育改革」と子どもたちの異議申し立て
- 援助的・教育的実践の展開と子ども理解の深まり
- 子ども観・教育観の深まりと新しい教育運動の構想
- 教師たちの模索と新しい教師像の芽生え
- 子どもの権利と教育の自由・共同の論理の再構築へ
- あとがき
著者情報
田中孝彦

子どもたちの声と教育改革
定価2,090円
(本体1,900円)
2008年10月