
彼の速球は、打者の手元でえげつなく変化した。
戦火に消えた幻のエース 巨人軍・広瀬習一の生涯
上田龍=著
1941年夏、巨人軍にテスト入団し、初登板完封勝利の快挙で球場を湧かせた右腕投手・広瀬習一。翌年には開幕投手を務め最高勝率投手になるも、以後忘れられた存在となった幻のエース。その足跡を軸に、沢村栄治、スタルヒンらのエピソードも交え、戦争に翻弄された日米野球人の姿と平和の尊さを伝える感動のノンフィクション。 張本勲さんが推薦! 「戦争さえなければ素晴らしいプレーが見れたのに、くやしかったでしょう。」
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 1 瀬戸際の巨人にあらわれた“救世主”
- 黄昏の沢村栄治、病魔に襲われたスタルヒン
- 衝撃のプロ初登板シャットアウト勝利
- 河畔の「入団テスト」
- 大津の怪童
- 「甲子園最多勝投手」の特別コーチ
- 2 甲子園出場と社会人野球・陸上競技での活躍
- 「宿命のライバル」出現!
- 甲子園に棲む“魔物”
- 大津商の“二枚看板”対神田、二日がかりの死闘
- 巨人軍からの勧誘
- 琵琶湖のはやて
- 大津晴嵐会
- 3 日米開戦前夜の職業野球
- 「梁山泊」の青年たち
- ライバル・神田との再会
- 桧舞台に飛び込んできた「日米開戦」
- 4 戦時下のウイニングボール
- 空襲警報下の職業野球
- 広瀬対神田の“頂上対決”
- 酷使されるエースたち
- 最後の対決
- 藤本英雄との邂逅
- 水原茂への召集令状
- 試合後の異変
- 5 戦火に散ったエース
- 最後の帰郷
- 「敵性競技」
- 神田の夭折
- 戦場の「オールスター戦」と「ゲームセット」
- エピローグ
- あとがき
- 参考資料/取材・資料協力
著者情報
上田龍
1958年生まれ。ベースボールコントリビューター(ライター・野球史研究家)、野球文化學會幹事

戦火に消えた幻のエース 巨人軍・広瀬習一の生涯
定価1,540円
(本体1,400円)
2009年6月