
監禁、遺棄、あるいは殺害され、社会から孤立状態に置かれてきた「イディオ」と呼ばれた人々。その孤立を終わらせるべきとし、教育実践にとりくんだエドゥアール・セガンの知られざる前半生を、フィールドワークで明らかにする。激動期のフランスを生き、近代障害児教育を創始した人の実践と思想を探る上で必読の労作!
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 関係略年譜
- 序 章 イディオの孤立から社会化への道
- 第1章 エリートをめざして
- 寓話化された育ちの環境
- 父ジャック=オネジム・セガンと母マルグリット・ユザンヌ
- オネジム=エドゥアール・セガンの誕生と生誕の地クラムシー
- オーセールの祖母の家とコレージュ、ジャック・アミヨ
- パリに出る
- 第2章 社会の変革を求めて
- 1830年7月革命
- サン=シモン主義者、セガン
- 芸術批評の執筆
- 社会変革への闘い
- 二度目の革命
- 「団結は力なり」――労働者の権利クラブの組織
- 第3章 イディオの社会化のために
- ある出会い
- 新しい指導者を得る
- イディオ教育開拓の社会的背景
- 記録書と指針書の作成
- 教育施設の創設
- 不治者救済院のイディオの教師
- ビセトール救済院へ
- おわりに
- 翻訳資料 子息の教育についてのO氏への助言
- 主な引用・参考文献
- あとがき
著者情報
川口幸宏
1943年三重県出身。学習院大学教授(教育方法論など)。東京教育大大学院博士課程中退。埼玉大、和歌山大を経て現職。『日本現代教育史』(新日本出版社、共著)、『教師像の探求』(教育史料出版会)、『生活綴方研究』(白石書店)など著作多数。

知的障害教育の開拓者セガン 孤立から社会化への探究
定価2,420円
(本体2,200円)
2010年3月