
老いはけっして人生の孤島ではありません
老いてこそ輝け
河合聰=著
人はだれしも老い、心身ともに衰え、若い頃のようにはいかないのが現実。でも、齢を重ねるごとにえた豊かな経験と知恵で、「老い」が人生の中でもっとも輝く時期でもあります。ミケランジェロ、ゲーテ、幸田文など、先人たちがのこした老年観に学びながら、自分流の老いを探し求める。案内役は82歳、老いまっさかり。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- I 老いは人生の孤島ではない
- 老いは忍者である
- 老いとは何か
- 年をとるとは新しい仕事につくこと
- 年をとるとは不思議なこと
- 老いは人生の円熟した一局面…ほか
- 老いはなぜ不安なのか
- キケロが取り上げた「老いの不安」
- 庶民の「老いの不安」
- II 老いの姿は一様ではない
- 燃え続ける老い
- ミケランジェロ
- ゲーテ
- 燃え続ける庶民
- 穏やかな老い
- 吉田兼好の無常観
- 幸田文の世界
- 浜田晋が描いた人間模様…ほか
- さまざまな老い
- 自分を開花させる喜び
- 老境の恋
- 老いと病苦…ほか
- III 老いて初めてわかることがたくさんある
- 老いはなぜ輝くのか
- 脳は使えば使うほど元気になる
- 脳と身体は一体である
- 才能と知恵は同じではない
- 老いて何が見えてくるのか
- 老いも人生そのものである
- 自分の老いを大切にしたい
- 感謝の気持ち…ほか
- 「老いの輝き」とは「知恵の輝き」
- IV 老いの暗さは老いの特性ではない
- 老いに影響する環境因子
- 女の老い・男の老い
- 歴史に見る底辺女性たち
- 資本主義社会の価値観…ほか
- 諸外国の福祉政策
- デンマークの福祉政策
- スウェーデンの福祉政策
- 社会保障制度の責任…ほか
- V 老いを輝かせるためにはどうするか
- 老いを準備する
- 老いの準備は若い頃から
- どんな準備が必要か
- 老いとどのように向き合うか
- 「生きる意味」を問い続けること
- 脳と身体を適度に使い続けること
- 「自分の流儀」を大切にすること…ほか
- 誰でも輝くことはできる
- 解決すべき課題
- 高齢者が暮らしよい環境をつくること
- 高齢者パワー
- おわりに
- 参考文献
著者情報
河合聰
1928年生まれ。東京大学医学部薬学科(当時)卒業。薬学博士。元厚生省国立衛生試験所。元岐阜薬科大学教授。主な著書に、『もう一度「人間」の不思議さを考えよう』(西田書店、2007年)、『暮らしの中から見る地球を蝕む環境問題』(東銀座出版社、2007年)、『地球環境の今を考える』(共著、丸善、2008年)など。

老いてこそ輝け
定価1,650円
(本体1,500円)
2010年5月