
なぜ明らかに原爆症の人が被爆者認定されないのか?そこには科学を装う隠蔽工作があった。広島長崎の放射線被曝がひろがる実態を、プレスコードで隠し、放射線量基準を実態とかけ離れたものにしたごまかしとからくり。多くの人が苦しむ内部被曝を無いものにしてきた米核戦略を告発し、本当の科学に基づく認定基準作りを提案。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 第1部 被曝隠しとは何か
- 1 なぜ、原爆症認定されないのか
- 2 まやかしの認定基準はいかにつくられたか
- 3 誤った科学――物質的考察を排除した放射線測定主義――
- 4 誤謬あるいは隠蔽の結節点――実証主義的放射線測定万能論――
- 第2部 放射性下降物はいかに作られ、どのような性質を持ったか
- 5 原爆の原理――原爆投下後の放射能環境を理解するために――
- 6 原子雲――放射性物質がそこにある証拠――
- 7 核分裂生成原子――放射性降下物の主な放射能――
- 第3部 内部被曝の恐ろしさ
- 8 被曝
- 9 内部被曝の特徴と被曝の機序
- 第4部 放射線被曝の実相
- 10 内部被曝の放射線量
- 11 被曝直後の放射線環境――投下後1週間目の被曝線量(7日間の累積被曝線量)――
- 12 被爆者の身体が記録する被曝線量
- 13 まとめ
- あとがき
- 専門用語 注
- 参考文献
- 資料
著者情報
矢ヶ﨑克馬
元琉球大学理学部教授。広島大学大学院理学研究科 (博士課程) 物性学専攻単位取得退学。理学博士。原爆訴訟に内部被爆についての証人として関わる。著書に『力学入門』(裳書房)

隠された被曝
定価1,320円
(本体1,200円)
2010年7月