
水爆実験で被災したのは第五福竜丸だけではない。が、他の漁船が被災した事実は日米両政府の政治決着で闇に葬られた。米国の「原子力の平和利用」戦略、日本の「原発」導入など、当時の資料・証言や米公文書等から事件隠蔽の背景をさぐり、30年近く高校生ととりくむ被災船員への聴き取り調査でえた貴重な証言等から事件の全容解明に挑む!
目次や構成
〔目次〕
- 序章 核被災に向きあう高校生たち
- 第1章 核の海の証言者たち
- 第2章 ビキニ「死の灰」世界へ
- 第3章 隠されたビキニ事件
- 第4章 放置されたビキニ被災船員の健康問題
- 終章 ビキニ事件と福島原発被災のこれから
著者情報
山下正寿
1945年、高知県宿毛市生まれ。早稲田大学卒業後、高知県高等学校社会科教員として30年勤務。現在、太平洋核実験被災支援センター事務局長。「幡多高校生ゼミナール」(1983年設立)の高校生たちとともに、1985年から、ビキニ水爆実験の被災者の聞き取り調査にとりくんでいる。ビキニ水爆実験被災調査団として上梓した編著書に『もうひとつのビキニ事件――1000隻をこえる被災船を追う』(平和文化、2004年)、『ビキニ海は忘れない――核実験被災船を追う高校生たち』(平和文化、1988年)がある。

核の海の証言 ビキニ事件は終わらない
定価1,980円
(本体1,800円)
2012年9月