
深刻化する地球環境問題、原子力発電が環境破壊の持続不可能なエネルギーであることが明らかにした原発事故。その主要な原因である企業活動を、企業の社会的責任(CSR)という新しい経営論理とマネジメントの基準から見直し、東京電力の社会的責任や国際的規制の特徴など、環境経営学の有効性について考察する。
目次や構成
【目次】
- はじめに
- 第1章 環境経営学とは何か
- 1 地球環境問題と地球環境運動の歴史
- 2 資本の経済的動機
- 3 環境経営と自然価値
- 第2章 地球温暖化と企業
- 1 地球温暖化の原因とメカニズム
- 2 温暖化対策における世界と日本の実績
- 3 温暖化対策のマトリクス
- 4 温暖化対策の実効性
- 第3章 原発と企業ーー東京電力の社会的責任を中心に
- 1 3・11原発事故と環境影響
- 2 原発導入の経緯と軍事目的
- 3 東京電力の隠蔽体質とCSR
- 4 原子力エネルギーの持続不可能性
- 5 自然エネルギーへの転換
- 第4章 環境経営の手法とシステム
- 1 経営戦略の再構築
- 2 ISO14000の成立の経緯
- 3 環境経営の方針と組織
- 4 環境経営のシステム
- 第5章 「社会的責任」という国際規制
- 1 企業倫理への社会的規制とISO26000
- 2 CSR政策におけるEUと日本比較
- 3 ステイクホルダー資本主義の意義と限界
- 4 持続可能な企業の成長原理
- 索引
著者情報
足立辰雄
1952年大分県生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士課程単位取得退学。近畿大学経営学部教授。著書に『サステナビリティと中小企業』(編著2013年、同友館)、『現代日本の多国籍企業』(共著2012年、新日本出版社)、『サステナビリティと経営学』(2009年、ミネルヴァ書房)、『CSR経営の理論と実際』(2009年、中央経済社)、『環境経営を学ぶ―その理論と管理システム』(2006年、日科技連出版社)など。

原発・環境問題と企業責任 環境経営学の課題
定価1,980円
(本体1,800円)
2014年3月