
アベノミクスの目玉として鳴り物入りで導入された「異次元金融緩和」も、日銀みずから掲げた「2%の物価安定目標」を達成できずに三年半も過ぎている。なぜ失敗しているのか――金融政策の基礎的理論、日銀関係者の言説、国際的な金融政策等、あらゆる角度からその異常性、副作用・弊害の大きさを丁寧に実証し、デフレ解消策として本来取り組むべき政策にも言及する。
著者情報
建部正義
中央大学名誉教授、専門は金融論。1944年大阪府生まれ。1966年大阪市立大学経済学部卒業。1968年大阪市立大学大学院経済学研究科修士課程修了。中央大学商学部助手。1979年から2014年まで同教授。主な著書に、『マルクス「資本論」の研究(上)』(共著、1980年)『21世紀型世界経済危機と金融政策』(2013年、以上新日本出版社)、『マネー』(1993年)『貨幣・金融論の現代的課題』(1997年)『はじめて学ぶ金融論』(1999年、第2版が2005年、以上大月書店)、『日中の金融・産業政策比較』(編著、2000年)『21世紀の金融システム』(編著、2002年)『金融危機下の日銀の金融政策』(2010年、以上中央大学出版部)。

なぜ異次元金融緩和は失策なのか
定価1,870円
(本体1,700円)
2016年11月