
経済学の本と聞くと、「グローバライゼーション」などやたらカタ仮名ばかり並んだ言葉が出てくるうえ、厄介な図表でウンザリということも多いはず。ところが、この本は違います。複雑で絡み合った現象についても、その事実を鮮明に映し出して説明するだけでなく、なぜそういう動きや現れが起きるのかの道行きを、スパッと、具体的に、分かり易く解き明かします。
目次や構成
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はじめに
- I 基礎知識
- 1 資本主義経済とは?
- 2 資本主義経済の特徴
- 3 資本の価値増殖運動を図式化する
- 4 資本の運動の絡み合い
- 5 資本主義は永遠に続くのか?
- 6 社会主義について
- Ⅱ 現代の資本主義経済
- 1 資本主義は変わったか?
- 2 産業構造の変化
- 3 サービス化
- 4 グローバライゼーション
- 5 労働者の抵抗と資本主義の妥協
- 6 資本の反撃―新自由主義とマネタリズム
- 7 新自由主義政権が現実化して実行したこと
- 8 金融化⑴―金融と金融機構の説明
- 9 金融化⑵―現代の資本の市場の形成
- 10 金融化⑶―ファンドの世界とその構造 短期金融市場の成長と証券化、新しい金融恐慌
- 11 金融化⑷―株式市場の変質
- 12 補論 日本経済に於ける財政と金融の一体化
著者情報
熊野剛雄
1926年、広島県尾道市生まれ。1951年東京大学経済学部卒業。同年大学院中退。角丸証券(現・みずほ証券)調査部長、日本証券経済研究所主任研究員、同理事を経て専修大学教授、同経営研究所長、証券経済学会代表理事などを歴任。日本学術会議会員、専修大学名誉教授。主な著書には『銀行と証券』(講談社現代新書)、『株式の話』(東洋経済新報社)など。このほかに、ペンネーム:大槻久志で『金融恐慌とビッグバン』『やさしい日本経済の話』『金融課の災い』(いずれも新日本出版社)がある。

やさしい 日本と世界の経済の話
定価2,310円
(本体2,100円)
2019年10月