
知らないと守れない人権がある。
ひとりひとりの「性」を大切にする社会へ
遠藤まめた=著
「LGBT」や「ジェンダー」などの言葉が広がる昨今。私たちは、どれくらいその意味や実態を知っているでしょうか?「多様性」が問うているのは、実はマイノリティの尊厳だけではなく、他ならぬ私たち一人ひとりの生き方かもしれません。誰もが自分らしく生きられる社会にするために、まずここから一緒に考えてみませんか?
目次や構成
《Book Review 書評情報》
- ミセス(2020年4月号)<評者:斎藤美奈子さん>
- 神奈川新聞(2020年3月8日付)<評者:服部エレンさん>
- Sport Japan(03-04号 vol.48)
- 朝日中高生新聞(2020年3月15日付)
- しんぶん赤旗(2020年3月29日付)<評者:王谷晶さん>
- 朝日新聞「著者に会いたい」(2020年4月11日付)
《One Voice 読者の声》
- 「ようやく出た!という感じでした。新日本からこのような本が出るのを待っていました!」
- (20代、会社員)
- 「私の周りにも、ハラスメントや、性を大切にできない環境が当たり前のようにある。今の社会のどこがおかしいのか、この本を読んで勉強していきたい」
- (20代、会社員)
- 「読んでいて、思わず「なるほど」と思う箇所がいくつもありました。とても読みやすかったです。自分のような基礎知識がない人でもすらすら読み進めていけました。「ときに真面目に、ときにユルく」書かれた文章のタッチもよかったです」
- (20代、会社員)
- 「これ、ホント色んな人に読んでもらいたい!」
- (30代、主婦)
- 「非常に面白く、もともと興味がある分野だったので新しくいろいろ知れていいきっかけになりました」
- (20代、大学生)
- 「LGBT当事者の本、と聞いて、実は尻込みしていた自分がいた。さぞかし今の社会への恨みつらみが書かれているのでは…と思っていたからだ。ところが全編を通して優しく、くすっと笑わせる記述に溢れていて、読むうちに懸念はするすると溶けていた」
- (40代、主婦)
- 「この本を読みながら、自分の中にあるステレオタイプや差別的な見方を見つめ直す作業ができました。注釈に載っていた参考文献もぜひ読もうと思います」
- (20代、会社員)
- 「異性愛者も読むべきだと思った」
- (20代、大学院生)
- 「この本の中には、あらゆる性とそれにともなう生きづらさに対する共感がちりばめられていて、時として傷ついたものどうしの分断がおこる状況に橋をかける役割をはたす力をもっていると感じた。そして非常に読みやすい。自分の生きづらさをちゃんと社会に結び付けて、その社会で生きているすべての人の痛みに対する想像力をもっている点がこの本の素敵なところであると思う」
- (20代、会社員)
- 「近年LGBTに関するニュースが増えたが、もやっとしたままだったことが整理されスッキリした」
- (30代、会社員)
- 「気軽に読めて、面白いうえに視野が広がる一冊だ」
- (40代、主婦)
- 「文章の端々から、著者の誠実な姿勢が伝わってくる。嘘偽りなく、誠実に現実に向き合おうとする著者の姿勢には心から敬意を表したい」
- (30代、公務員)
- 「自分の周りには職業柄もあるのか、LGBTの方(カミングアウトしている人の割合も多い気がする)はとても多いです。そのためか私自身は何の抵抗もないというか、いまの世の中SNSやネットで一昔前より自分の主張を自由に述べられるような社会なのだから性に関しても自由な社会であるのではないかと常づね考えていました。実際、著書にもでてきた『おっさんずラブ』等のLGBTを取り扱った作品は私も見ますし、友達にもゲイの子は何人かいて一緒に女子トークをしたりします。
- ですが実際に自分自身がちゃんとLGBTについて勉強したかと言われればNOで、私が学生だった頃はまだ道徳の教科書にはのっていませんでしたし、当たり前のように男女の性だけだと思っていました。
- この著書は、トランスジェンダー男性によるものでその方からの目線ということもあり、新しい知識や考えがふんだんに盛り込まれていて読んでいて飽きませんでした。読み進めていくほどにはまる。そんな本だったように思います。難しい用語をできるだけわかりやすくかみ砕いてくれていたのも楽しく読めた要素でしょうか。中でも、日本で扱われている「同性婚」「性同一性障害」などの言葉に対する疑問は、今まで普通に使っていた私にとって胸打たれ考えさせられるものがありました。この本がきっかけで沢山の方々が考えるきっかけになり、多種多様な性を受け入れ共存していく社会に日本がなってくれればと思いました」
- (20代、俳優)
- 「同性愛、トランスジェンダー、性的少数者など、「性」を表す言葉を聞く機会がたしかに増えた。けれど、自分自身その内実をあまり知りませんでした。聞き慣れない横文字で、「性の話」と聞くと、どこか敬遠してしまうような意識もあったと思います。けれど、なにも性の話は聞き慣れないマイノリティの人たちの話ではない。実は、自分の隣にいる人の話でもあり、自分自身の話なんだと思いました。「性」にひもづけられた規範意識はどんな人にも知らず知らずのうちに内面化されていて、自分も差別や偏見の被害者にも加害者にもなりうる。まず知ることから始めたい、と思いました 」
- (20代、会社員)
《目次》
- はじめに
- 序章 性の当事者
- 性の多様性は、昔も今もどこにでもある
- だれもが持っている「性の4要素」
- みんながグラデーションの一部
- 第1章 時事から読み解くLGBT
- 広辞苑がLGBTの説明を間違えた話
- 杉田水脈「生産性発言」炎上が教えてくれたこと
- おっさんずラブと保毛尾田保毛男
- 教科書は多様な性をどう描く
- 東京オリンピック・パラリンピックとLGBT検定
- 女子大学がトランスジェンダーの受け入れへ
- 電通過労死事件とスーツの男たち
- 「同性婚訴訟」と、権利ではない方の結婚の話
- 手術しましょう、と法律はささやいている
- コラム LGBT報道の傾向と対策
- 第2章 トランスジェンダーとフェミニズム
- 「間違った性別のせい」を疑え
- フェミニストのイメージ
- 先進国ニッポンのきれいな水
- 性別欄をどう設けるか
- 「性同一性障害」は結局ビョーキなのか?
- チョコレートの海、女子校の奇祭
- あなたはありのままで美しい(はず)
- 茶碗蒸しを勝ち取った話
- トイレのレッスン1 スウェーデン編
- トイレのレッスン2 台湾編
- トイレのレッスン3 日本編
- 加害者でないことの証明
- 第3章 私たちが生きる多様な社会
- 理解されなくても使えるもの
- 好きだった写真家が#MeTooされた
- 優しい右翼
- #KuToo そろそろ靴ぐらい自由に
- 恋バナが盛り上がらなかった話
- あの夏の「好き」はどんな色
- 男の子への性被害とオンライン上の居場所
- 図書館に本をいれてください
- 杉田水脈ではなかった彼
- 昔の自分によく似た人
- おわりに
著者情報
遠藤まめた
1987年埼玉県生まれ。横浜在住。トランスジェンダーとしての自らの体験をきっかけに10代後半よりLGBT(セクシュアル・マイノリティ)の子ども・若者支援にかかわる。教員研修や、子ども支援にかかわる相談機関などでの講演会多数。著書に『先生と親のためのLGBTガイド もしあなたがカミングアウトされたなら』(合同出版、2016年)、『オレは絶対にワタシじゃない』(はるか書房、2018年)などがある。

ひとりひとりの「性」を大切にする社会へ
定価1,650円
(本体1,500円)
2020年1月