
チャレンジドの祥(さち)さんが、30代半ばを迎え、知的障がい者施設に入所して八年。ひょうきんで甘えん坊の祥さんと、入所者一人一人の障がいや個性を深く理解し寄り添う、支援スタッフたちの努力と、そして時に葛藤の物語です。スタッフによって記された克明な『祥さんの生活記録』に基づき、祥さんのお父さんが綴ります。
目次や構成
<目次>
- はじめに
- I 自立への五十キロメートル
- 祥との記念写真
- バイバイは、さりげなく
- 初めての面会
- Ⅱ 祥の一日ーー「おはよう」から「おやすみ!」まで
- 1 [起床]祥の朝は早い
- 2 [朝食]食堂には、いつも一番乗り
- 3 [くつろぎタイム]退屈は祥の大敵
- 4 [音楽活動]『悲愴』の連弾にハマる
- 5 [昼食]仲良しとの外食
- 6 [作業活動]作業室の〝困ったちゃん〟
- 7 [入浴]祥はお風呂大好き
- 7 [面会]〆は必ず「マックでポテト!」
- 9 [夕食・就寝]わたしのおうち
- 人は等しく
- いとうみく(祥の姉・児童文学作家)
- 心を支えるということ
- 阿部美樹雄(社会福祉法人みずき福祉会理事長、町田福祉園統括施設長)
<読者からいただいた感想>
- よく考えれば福祉園がどんなところかわたしは知らなかった。閉鎖的で制限されて暮らす場所? 本書を読んでそれは誤った思いこみだとわかる。チャレンジドの人々がそれぞれの特性にあった配慮を受け「フツーにくらす」大切な場所。それは全ての人が生きやすい社会をつくるために必要な視点がつまっているようにも感じる。
- (Oさん)
著者情報
伊藤暢彦
1941年愛知県生まれ。中央大学法学部卒業。出版社、広告代理店勤務を経て、広告・雑誌編集制作会社を設立。教育系出版社を中心に雑誌の企画・編集に携わる。著書に『ただいま奇跡のまっさいちゅう――ある障害児と家族の18年6か月』(1997年、小学館)がある。

わたしのおうち チャレンジドと支援スタッフの物語
定価1,760円
(本体1,600円)
2020年10月