
日本人が飢える日は遠くない!? なすべきことを具体的に
未来の食と環境を守れ 有機農家からの提案
涌井義郎=著
食料自給率は国際的に最低水準。農家は全就業者中たった1・7%で20年後はその4分の1に――こんな国では生きていけません。気候危機や環境破壊、戦争で世界的にも食は危機に。打開のヒントは有機農業・環境再生農業に。経営の大規模化ではうまくいかないことをふまえ、国がなすべきことを農の論理に立って提案します。
目次や構成
<目次>
- 第1章 農民、農家、百姓
- 農業者? 単なる業者なのか
- 農家は未来に文化をつなぐ
- 百姓は多機能な仕事人集団
- 農漁村に原発は相容れない
- 第2章 農の危機、食の危機
- 農と農村の原点
- 農とくらしの激変期があった
- 農から農業へ、そして失ったもの
- 農と食の危機、招いたのは農政
- 第3章 環境問題と農業
- 農業は環境に何をしたのか
- 気候危機と農業
- 生物種の絶滅、主犯は農林業
- 窒素とリンの環境汚染
- 農地土壌の劣化
- 除草剤の罪
- 鶏糞と生ゴミ
- 真水の危機
- 第4章 有機農業から環境再生農業へ
- 有機農業に転換する意義
- 生物種の絶滅を止める
- 環境再生型有機農業
- 不耕起有機栽培の試行二四年
- 有機農産物に付加価値はありません
- 第5章 有機農業とその技術
- 有機農業とはどのような農業か
- 土づくり、土とは何か
- 家畜糞堆肥、植物質堆肥
- 苗床の土をつくる
- ミミズのはたらき
- ボカシ肥料、つくり方と使い方
- 技術の自給
- マイペース酪農
- 採種技術を農家の手に
- ミミズのはたらき
- 自家育苗が基本
- 接ぎ木技術を身につける
- 有機農法の多様性
- 量販型有機農法の課題
- 炭素循環農法、自然農法
- 二季化への対応
- 有機農法の新展開のために
- 第6章 有機農家を育てる
- 国を越える本来の農
- 就農志向者のニーズ
- NPO運営の研修農場
- 新たな研修機関をたち上げる
- 有機農家三〇万人化をどうするのだ
- 技術指導者が足りない
- 農家三〇万人に減る? 農業予算を四倍増、五倍増に
- 家族農業のすすめ、肝心なのは農家の数
- 農ほど必要不可欠な仕事はない
- 第7章 農とくらしの技
- 藁の話
- 肥土(苗床の土)
- 踏み込み温床
- 家畜のいるくらし
- 焚き物、山の幸を知る、使う
- 第8章 自然共生の農と食を未来人の手に
- 農の再生に向けて
- 新規就農者の現状に対して
- 新・農家一〇〇万戸育成計画
- 研修五道、有徳人たちの力
- 一兆円以上の農家育成予算を
- 指導農家を支える地域連携
- 実践力ある技術コーディネーターが必要
- 全国の農業大学校に有機コースを
- 民間の農業校に有機指導者育成所を
- NPO農業のすすめ
著者情報
涌井義郎

未来の食と環境を守れ 有機農家からの提案
定価1,980円
(本体1,800円)
2024年6月