
多様化し、増え続けているいじめ。当事者も周囲も、多くの人が苦しんでいます。著者はいじめ自殺遺族として日本各地で講演。加害者が「自分を守るためにいじめをする」という本音にも触れ、加害者に寄り添う必要性を強調します。学校などで行っているワークショップも紹介し、いじめをなくすために何ができるか提案します。
目次や構成
<目次>
- 序論 いじめの現状──文部科学省の調査を検討する
- 第一章 いじめについて誤解していませんか?
- 1 「被害者は弱い子」なのか?
- 2 「いじめられる原因がある」という被害者責任論
- 3 「なんでいじめられるのだろうね」?
- 4 「子どもの問題だから、子ども同士で解決させる」?
- 5 「やられたらやり返せ」
- 6 「仲直りの会」「謝罪の会」
- 7 「○○週間」「○○キャンペーン」
- 8 「傍観者も加害者」なのか?
- 第二章 スクール虐待と当事者の背景
- 1 いじめは虐待行為である
- 2 不登校の子どもたち
- 3 いじめ被害は生きる気力や考える力を奪う
- 4 いじめは被害の連鎖から生まれる産物
- 5 加害者はいじめることで心のバランスを保っている
- 6 孤独が人の心を崩壊させるきっかけに
- 7 お互いに「傷」は残る
- 8 クラスの雰囲気は子どもたちの成績にも影響する
- 9 親に話せないこともある
- 第三章 大切なのは、大人全体で向き合うこと
- 1 当事者はいじめをなかなか認められない
- 2 加害者とされた子へ丁寧な対応をしよう
- 3 自分の子どものころを思い出そう
- 4 「いじめられている」との訴えが届いたら
- 5 「当事者」でない子どもはいない
- 6 友達を傷付けてしまったら
- 7 不登校の子どもをできるだけ「特別扱い」しない
- 8 多くの悩みや問題を解消するための「チーム学校」
- 9 問題発生後の保護者説明会
- 10 第三者調査委員会に思うこと
- 11 子どもと答えを求めない会話をしよう
- 12 私はこんな親でした
- 第四章 「自由の翼」を考えるワークショップ
- 1 「心のお天気」
- 2 「赤いハート」
- 3 「振り返り」
- 4 ワークショップ後の「三つの質問」
- 5 「リテラシー」について
- 6 子どもたちの声
あとがき
はじめに──すべての大人がいじめ解決策の共有を
著者情報
小森美登里
1957年神奈川県生まれ。NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」理事。講演、展示会、勉強会の開催等の活動を全国展開しており、講演は1600回を超えている。講演の対象は小学生から一般まで。 著書に『遺書』(2014年)、『いじめのない教室をつくろう』(2013年)、『わが子のいじめ自殺でわかった今子どもたちと教師に起きている本当のこと』(2012年、いずれもWAVE出版)など。

いじめに対する大人の誤解 スクール虐待の現実
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2024年12月