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国や自治体はどのように結婚に介入するのか?

押し付けられる結婚 「官製婚活」とは何か

斉藤正美=著

定価1,980円(本体1,800円)

出版年月
2025年11月
ISBNコード
978-4-406-06910-6
仕様
0031/ 四六判並/ 144P
タグ
   
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「妊娠の適齢期は34歳まで」「熟女キラー」……。人を生殖の道具と見るような価値観が、国や自治体による結婚支援策の中でまかり通っている。公共政策としての「官製婚活」は、2013年以降急速に拡大してきた。官製婚活は何を目的に、どう進められてきたのか。その問題点を、現場への取材とともに検証する。

目次や構成

<目次>

  • 第1章 官製婚活とは何か?
    •  「地域縁結び」
    •  結婚したい人の希望をかなえる?
    •  「企業子宝率」
    •  子宝モデル企業表彰式
    •  「お持ち帰りしてください」
    •  35歳までの女性しかいらない
    •  官製婚活の始まり
    •  優良事例の横展開
    •  従来の少子化対策との違い
    •  経済政策としての官製婚活
    •  婚活議連と政府検討会
    •  ライフプラン教育によるプレッシャー
    •  強調される規範的な家族像
    •  子どもの頃からの準備
    •  コロナ禍以降の官製婚活
    •  利権と「婚活ムラ」
    •   
    • 第2章 「少子化対策」という課題設定
      •  生み出された「少子化」という概念
      •  人口減少問題へのアプローチ
      •  公共政策に忍び込む「相手選び」の価値観
      •  公共性の欠落
      •  リプロダクティブ・ヘルス/ライツ概念の変容
      •  少子化対策と「国民の責務」
      •  バックラッシュの影響
      •  利用される男女共同参画
      •  「子育ての意義」を超えて
      •   
      • 第3章 官製婚活を支える右派の家族観
        •  ジェンダー・家族政策の転換点
        •  共有される価値観
        •  自民党保守派の家族観
        •  軌を一にする宗教右派
        •  重用される有識者たち
        •  右派系シンクタンクとの連携
        •  右派にとっての家族
        •   
        • 第4章 官製婚活と「受胎前・妊娠前ケア」
          •  プレコンセプションケアとは?
          •  目的は「少子化対策」
          •  官製婚活との連続性
          •  産婦人科医ら専門家団体との関係
          •  次の命へのバトンタッチ?
          •  板挟みになる産婦人科の現場
          •  「権利」や「自己決定」が消えている
          •  優生思想の教化につながらないか
          •  プレコンサポーター5万人の脅威
          •   
          • 終章 官製婚活と日本社会のゆくえ
            •  撤退自治体と批判の論点
            •  批判の背景――研究やメディア報道から
            •  若年女性への期待と軽視
            •  公共政策と日本社会のゆくえ
            •   

著者情報

斉藤正美

1951年、富山県生まれ。富山大学非常勤講師。専攻は社会学、メディア研究、フェミニズム・社会運動研究。共著に『宗教右派とフェミニズム』(2023年)、『まぼろしの「日本的家族」』(2018年)、『国家がなぜ家族に干渉するのか 法案・政策の背後にあるもの』(2017年、いずれも青弓社)、『徹底検証 日本の右傾化』(2017年、筑摩書房)、『社会運動の戸惑い フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(2012年、勁草書房)などがある。

押し付けられる結婚

押し付けられる結婚 「官製婚活」とは何か

定価1,980円
(本体1,800円)

2025年11月