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「構造改革」「規制緩和」「市場万能」の経済思想を考える

「新自由主義」とは何か

友寄英隆=著

定価1,650円(本体1,500円)

出版年月
2006年8月
ISBNコード
978-4-406-03307-7
仕様
0033/ 四六判並製/ 190P
タグ
社会    経済一般   
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ライブドア、村上ファンド……小泉内閣の「構造改革」路線のもとで次々と起こる不正事件や、格差の広がり。こうした背景には、「新自由主義」とよばれる弱肉強食の経済思想があり、政治、社会、教育・文化などさまざまな分野で影響を広げている。この内容をそもそもから、実践的に役立つように、分かりやすく解明する。

目次や構成

〔目次〕

  • はじめに
  • 第1章  「新自由主義」とは何か(その1)
    1. ライブドア1/小泉「構造改革」―批判する新しい動きも
    2. ライブドア2/新たな金融貴族―「寄生虫」とマルクス
    3. ライブドア3/「努力」を計る新しい尺度―スタートから不平等
    4. 市民社会/ルールとモラル―スミスの言う"共感"とは
    5. 市場原理主義1/賭博も麻薬も―まかせれば万事良し?
    6. 市場原理主義2/「株式資本主義」化―大企業の要求にそって
    7. マネタリズム/「貨幣原理主義」へ―"カネはずばらしい"
    8. 市場原理的支配/労働者を競争させ―低賃金・長時間労働続ける
    9. 福祉も、教育も、環境も/「官から民へ」―目先の効率化一本やり
    10. 格差社会/グローバル化が拍車―低所得再分配に攻撃
    11. メインストリーム1/米国のシカゴ学派―国際的潮流の総本山
    12. メインストリーム2/国際的背景―財政危機など矛盾の累積
    13. ルーツ/反社会主義―ソ連崩壊を追い風に
    14. グロ−バル化/多国籍企業の利益―国内のルールを改廃する
    15. ワシントン・コンセンサス/中南米―市場原理で経済疲弊
    16. ネット社会1/カジノ資本主義―投機的活動を野放しに
    17. ネット社会2/顔の見えない分業―「自由の拡大」の錯覚
    18. リバタリアリズム/民族主権の軽視―軍拡を強権傾斜の矛盾
  • 第2章  「新自由主義」とは何か(その2)―質問に答えて
    1. 「お店屋さんごっこ」と株教育
    2. 農業と「新自由主義」
    3. 文化と「新自由主義」
    4. ノーベル経済学賞と「新自由主義」
    5. モンペラン協会とは
    6. サッチャー政権の「新自由主義」
    7. スミスの「市民社会論」とマルクス
  • 第3章  「新自由主義」の基本的特徴をどうつかむか
    1. 世界的に、さまざまな特徴で現れている「新自由主義」
    2. 階級的な性格―「多国籍企業化した大資本の利益を代表」
      ―それは市場原理をグローバルな世界に要求する
    3. 「新自由主義」イデオロギーと資本の搾取方法・蓄積様式の変化
    4. 「イデオロギーとての新自由主義」と経済政策との関係
  • 第4章  「新自由主義」は、労働者をどう扱うか
    1. 戦後日本の歴史で、かつてない「労働のあり方の破壊」
    2. 大リストラ=「大合理化」の背景
    3. 市場原理主義による「労働市場改革論」
    4. 「新自由主義」の労働経済論―ルーツは「人的資本」理論
    5. 労働組合を敵視し、労働者の抵抗をおさえつける「新自由主義」
    6. 「新自由主義」の独占擁護論―シカゴ学派の「産業組織論」
  • 第5章  古典的な自由主義と「新自由主義」は、どう違うのか
    1. ブルジョアジーの政治思想としての古典的な自由主義思想
    2. トーマス・ヒル・グリーンの「新自由主義」と河合栄治郎
    3. モンペラン協会とハイエク
    4. 1960年代から70年代へ。1980年代以降
    5. 「新しい」(neo−)の意味について
  • 第6章  なぜ「新自由主義」の影響が広がったのか
    1. 前史―日本の「新自由主義」の系譜
    2. 「新自由主義」による90年代のイデオロギー的再編
    3. 小泉内閣と「新自由主義」経済路線
    4. 反撃の開始
  • 第7章  日本的「新自由主義」イデオロギーと、どうたたかうか
    1. 綱領的な観点から、実践的な運動と結びつけて
    2. 広く深い視野に立って、連帯と共同の運動を
    3. イデオロギー的な全体状況を把握することの重要性
    4. 理論的な前進のために
      ―『資本論』の研究と、いわゆる「メインストリーム」の研究
  • (補論)  「市場経済」とは何か―理論的メモ
    1. 「市場経済」の概念についてのメモ
    2. 「市場経済」と「資本主義」の関係についてのメモ
    3. 「資本主義的市場経済の限界」についてのメモ

著者情報

友寄英隆

1942年、沖縄県生まれ。労働者教育協会理事。一橋大学経済学部卒業、同大学院修士課程修了。月刊誌『経済』編集長などを歴任。 最近の著書は次の通り。『デジタル社会とは何か』(2022年、学習の友社)、『「人新世」と唯物史観』(2022年、本の泉社)、『「人口減少社会」とは何か――人口問題を考える12章』(2017年、学習の友社)、『アベノミクス崩壊』(共著、2016年、新日本出版社)、『アベノミクスと日本資本主義――差し迫る「日本経済の崖」』(2014年、新日本出版社)。