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歴史的特徴と日本経済大転換の結節点を解明!

強奪の資本主義 戦後日本資本主義の軌跡

林直道=著

定価1,980円(本体1,800円)

出版年月
2007年3月
ISBNコード
978-4-406-05034-0
仕様
0033/ 四六判上製/ 235P
タグ
社会    経済一般   
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日本の資本主義はどのような特徴をもちながら、どう変化し、そのことが今日の状況にどう影響しているかを平易に解き明かす、待望の書き下ろしの書。格差社会の蔓延など、「新自由主義」がもたらす現代日本の病根を奥深くから抉りだし、地域経済の活性化や生活重視型への日本経済の転換など、日本社会の発展に何が必要かを説く。

目次や構成

〔目次〕

  • 1  日本は《強奪の資本主義》に転落した
    • 繁栄を支えた日本国憲法
    • 貪欲な資本主義=大量の非正規労働者
    • 公正さをかなぐり捨てた《強奪の資本主義》
    • 儲けの邪魔は消す――自営業者と社会保障を標的
    • 四段階の転落への道
  • 2  《強奪の資本主義》への道      ――戦後日本資本主義の四段階
    • 第1段階――経済発展の基礎づくりと対米従属体制固め
      • 第1期  敗戦直後の数年間(1945〜50年)
        • 戦争のもたらした恐るべき破壊と惨状
        • 軍部、軍需資本家、官僚たちによる備蓄物資掠奪
        • 戦後インフレーションとモラトリアム
        • 労働組合の急激な成長と二・一ゼネスト
        • 低賃金と重税による経済再建――片山内閣・芦田内閣の破綻
        • ドッジ・ラインと安定恐慌
        • 日本の黒い霧――下山・三鷹・松川事件――
        • 戦後の民主改革とアメリカの立場
      • 第2期  朝鮮戦争の時期(1950〜54年)
        • 朝鮮戦争の勃発と日本の前線基地化
        • 「単独講和」。サンフランシスコ体制
        • 動乱ブームと特需。対米追従の下請的軍事生産
        • 日本独裁資本の復活、企業集団の再編成
    • 第2段階――巨大な経済発展の時代
      • 第3期  高度経済成長期(1955〜73年)
        • ケタ違いの経済成長
        • 熱狂的な設備投資
        • 高度成長第一段階――神武・岩戸・オリンピック景気
        • 高度成長第二段階――いざなぎ景気
        • 高度成長の成果・日本経済の構造変化
        • 高度成長を可能にした諸力、諸要因
        • 高度経済成長のもたらしたひずみ
      • 第4期  石油危機とハイテク産業確立期(1974〜82年)
        • なおも高成長を促進し続けた人々
        • アメリカの金ドル交換停止
        • つくられた石油危機
        • 田中角栄内閣の「日本列島改造論」。土地投機ブームと物価狂乱
        • 巨大企業の悪徳商法。つくられた物不足。便乗値上げ。
        • 戦後最初の本格的恐慌。1974〜75年不況
        • ロッキード汚職事件
        • 石油危機による日本経済の大打撃
        • 省エネ・ハイテク産業の確立
      • 第5期  「経済大国化」とバブルの時期(1983〜90年)
        • 集中豪雨的輸出
        • プラザ合意
        • 減量経営。低賃金、カローシ。かんばん方式
        • 「経済大国」への仲間入り
        • バブルの発生
    • 第3段階――長期不況、財政破綻、リストラの奈落への転落
      • 第6期  バブル崩壊以降の長期停滞期(1991〜2003年)
        • バブル崩壊。証券、不動産パニック
        • 過剰生産恐慌へ波及
        • 90年代は長期不況
        • 「失われた10年」の原因
        • 政府と財界のまちがった不況対策
    • 第4段階――強奪政策への暴走
      • 第7期  小泉内閣の「構造改革」(2001〜2006年)
        • 「構造改革」と新自由主義
        • 不良債権の恐慌処理
        • 「構造改革」の具体的展開
          • ・郵政民営化
          • ・マネーゲームの規制緩和
          • ・労働の規制緩和
          • ・大店法廃止による中小商店つぶし
          • ・社会保障の切り下げ、医療「改革」
          • ・大増税。国民負担の増大
        • 二極分化の景気回復
        • 大企業の巨大利潤獲得。多国籍企業化
        • 貧困と社会的格差の増大
      • 第8期  経済成長第一主義の超タカ派安倍内閣
        • 超タカ派・改憲の安倍内閣
        • 教育基本法の改悪
        • 口先ばかりの「再チャレンジ」
        • 庶民増税のもとでの大企業減税
        • 大衆負担の消費税率の引き上げ
        • 労働法制の大改悪――労働ビックバン
    • 3  《強奪の資本主義》との訣別
      • 強奪政策からの民主的転換
      • 成長促進政策だけでは格差解消・くらし向上にならない
      • 国民の消費力を強める
      • 少子化を激化させる雇用政策をやめる
      • 「強奪」政策を先導・後押ししたアメリカ
      • 対米追随。日米軍事同盟強化路線からの離脱が必要
      • 新しい平和友好のアジア共同体へ
    • 戦後日本経済年表
    • あとがき

著者情報

林直道

林直道(はやし・なおみち)大阪市立大学名誉教授。1923年生まれ。大阪商科大学卒業。主な著書=『経済学入門』『現代の日本経済』『日本経済をどう見るか』(いずれも青木書店)『恐慌の基礎理論』(大月書店)『恐慌・不況の経済学』(新日本出版社)など多数。