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「保育の質」を高め、子どものしあわせ格差をなくすための基礎知識

保育の底力 子どもを大切にするためのミニマム・エッセンス

浅井春夫=著

定価1,980円(本体1,800円)

出版年月
2007年7月
ISBNコード
978-4-406-05052-4
仕様
0036/ A5判並製/ 268P
タグ
社会    労働、社会保障・福祉   
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公立保育所の民営化や「認定こども園」の推進など、経済効率偏重の大きな波のなかにある保育・子育て現場。そんな時代状況にあるだけに、ほんとうの「保育の底力」を発揮するために身につけたい見方や考え方、具体的対策を実践的に解説。児童虐待・性的虐待への対応、子育て支援策に必要なものなどを、現場の視点でリアルに説き明かします。

目次や構成

〔目次〕

  • はじめに ― 子育て・保育で問われている底力と五つのY ―
  • 第1部  子育て・保育実践を耕す
    • 第1章  子どもの貧困としあわせの課題
      • 自己責任vs「子ども福祉」の公的責任
      • 子どものしあわせとは何か
      • 子どものしあわせ格差社会
      • 子どもの社会的貧困のしくみ
      • 人生最初の社会保障としての「子ども福祉」
    • 第2章  乳幼児の権利を考える
      • 乳幼児の権利をどう捉えていますか?
      • 子どもの権利条約における子育て・保育像
      • 子どもの権利条約を発展させたもの
          ―― 国連・子どもの権利委員会の「一般的見解」第7号 ――
      • 幼児期の子どもたちに、権利条約をプレゼントするために
    • 第3章  「保育の質」を高める実践を耕す
      • 「保育の質」を耕す
      • 「保育の質」と第三者評価事業
      • 「保育の質」を高めるためのとりくみ
      • 「保育の質」を脅かすもの
      • 「保育の質」を高めるための課題提起
    • 第4章  ジェンダーと権利の視点で保育を考える
      • 「男の仕事!」「女の仕事?」が園のなかにありませんか?
      • 子どもの権利、守っていますか?
    • 第5章  ちょっと考えてみたい―乳幼児期の性教育
      • 乳幼児期の性的発達
      • 乳幼児期におけるジェンダー平等教育の展開
    • 第6章  求められる子育て支援とは?
      • 子育ての何を誰が支援するのか
      • 本来の子育て支援策に求められるもの
      • 子育て支援の視点
  • 第2部  子育て・保育の現場を見つめなおす
    • 第1章  日本の児童福祉は、どのような歩みと特徴をもっているのか
      • 日本の児童福祉の歩み
      • 児童養護問題の現代的な特徴
      • 児童福祉施設の制度はどうなっているか
    • 第2章  子ども虐待対応の強化を図るために
      • 子どもの権利条約と虐待問題
      • 児童虐待防止法改正の内容と今後の課題
      • 児童虐待防止ネットワーク形成の課題
      • 虐待を繰り返す親の現状とその介入方法
      • 虐待への具体的な対応の基本について
          ―― 保育所を例にしながら、民生委員、学校、行政機関の役割を考える ――
    • 第3章  なぜ起こる? 性的虐待
      • 性的人権の侵害の実態
      • 性的虐待の子どもへの人格的影響
      • 性的虐待に立ち向かうために
      • 性的虐待からの解放
    • 第4章  保育・福祉の現場を担うのは働く人の力
  • 第3部  子育て・保育政策のどこが問題か
    • 第1章  「少子化問題」を考える視点
      • これまでの子育て支援は何が問題であったか
      • 「少子化問題」で問われる視点
      • 子どもを大切にする国になっているか
      • 少子化対策の柱は家族政策と労働政策
      • 国のすすめる規制緩和と保育の市場化
    • 第2章  「認定子ども園」は日本の保育をどこに導くか
      • 「認定子ども園」って何?
      • 「認定子ども園」の問題点
    • 第3章  公立保育園の民営化問題に立ち向かう
      • 公立保育所がなぜ必要なのか
      • 財政の破綻を理由にした民営化の論理
      • 民営化の動きに対して、どう対応するか
  • おわりに  ― 現場の品格と希望を考える ―

著者情報

浅井春夫

立教大学名誉教授。1951年京都府生まれ。1974年龍谷大学法学部法律学科卒業、76年日本福祉大学社会福祉学部卒業、78年同大学院社会福祉学研究科修士課程修了。東京の児童養護施設で12年間、児童指導員として勤務。98年から立教大学で助教授、教授として勤務。『脱「子どもの貧困」への処方箋』(新日本出版社、2010年)、『沖縄戦と孤児院』(吉川弘文館、2016年)、『戦争をする国・しない国』(新日本出版社、2016年)、『「子どもの貧困」解決への道』(自治体研究社、2017年)、『包括的性教育』(大月書店、2020年)、『性のおはなしQ&A』(エイデル研究所、2020年)、『パンでわかる包括的性教育』(監修、小学館、2023年)など著作多数。