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100万人超える子どもたちの第二の家を、放課後を、豊かに発展させる道は?

学童保育と子どもの放課後

増山均=著

定価2,420円(本体2,200円)

出版年月
2015年10月
ISBNコード
978-4-406-05944-2
仕様
0037/ 四六判上製/ 264P
タグ
芸術・生活    教育   
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2015年4月にスタートした「子ども・子育て支援新制度」で、新段階に入った学童保育(放課後児童健全育成事業)。何が変わるのか、施設の条件や指導員の養成、「全児童対策事業」との関係など課題や問題点をわかりやすく整理。子どもの生活や発達、権利保障まで培ってきた理念を捉え直し地域協働の子育てを考え合う本。

目次や構成

『学童保育と子どもの放課後』 目次

 まえがき 1

Ⅰ.学童保育の現在と未来 9
 一.現代日本の学童保育 10
  1.現代日本社会と学童保育の展開 10
  2.学童保育とは何か 16
  3.子どもの生活・発達と学童保育 22
  4.学童保育が生み出す新しい子育て文化 27
  5.「子どもの放課後研究」と学童保育 31
 二.子ども・子育て支援新制度と学童保育 41
  1.学童保育の法制化とその後――学童保育の歴史・現状・課題 42
  2.変わる学童保育――はじめての「基準」制定をめぐって 45
  3.新制度に含まれる問題点――「教育」「保育」概念の変容と学童保育 48
  4.「放課後子ども総合プラン」と学童保育 52
  5.「子どもの放課後」から見た新制度と学童保育 58
  6.子どもの権利条約と学童保育――子どもの生活と文化を見直す 61
  7.問われる指導員の力量形成 65

Ⅱ.子どもの放課後問題を考える 73
 一.「子どもの放課後問題」とは 74
  1.地域・放課後の子ども 74
  2.子どもの生活と発達の変容 76
  3.子どもの放課後への関心の高まり 79
 二.「子どもの放課後」を問い直す 86
  1.放課後の子ども、今・昔――「子どもの仲間集団」が地域から消えた 86
  2.子どもの放課後生活の社会史 87
  3.「放課後」を問い直す視点 90
  4.子どもの放課後問題への研究的アプローチ 94
 三.「地域子ども教室推進事業」の歴史的意義の再評価 100
  1.なぜ再評価するのか 100
  2.中野区地域子ども教室の展開とその特徴 104
  3.地域子ども教室推進事業が切り拓いた可能性 114
 四.子どもの「放課後」をめぐる動向――日本・韓国・中国の現状比較 125
  はじめに 125
  1.日本の子どもの「放課後政策」 127
  2.韓国の子どもの「放課後政策」 135
  3.中国の子どもの「放学後」 146
  おわりに 152

Ⅲ.子どもと地域・放課後 159
 一.子どもの育ちと原風景 160
  1.「里山の価値」への注目 160
  2.「手入れ」によって守られる「里山の風景」 163
  3.「手入れ」文化と子育て・教育 166
  4.原風景の価値を問い直す視点に学ぶ 169
 二.子どもの地域生活の復権 175
  1.自然があっても子どもは遊ばない 175
  2.消えゆく生き生きした表情 176
  3.大人と子どもの緊張関係 178
  4.放課後対策と学童保育 182
  5.「土曜授業」をどう考えるか 183
 三.子どもの遊びと居場所を考える 190
  1.子どもの生活と遊びの変容 190
  2.子どもの発達と遊びの関係 192
  3.子どもの遊びとは何か 197
  4.遊びを見る目と遊び心 201
  5.子どもの居場所とは何か 205
 四.地域・放課後のとりくみの基礎的視点 211
  1.生活のすみずみまで侵食する労働時間 211
  2.ヨーロッパにおける「自由時間教育」「余暇教育学」 213
  3.「時間」の分類と〈余暇〉の本質 215
  4.子どもの権利条約第31条における〈気晴らし〉の位置づけ 217
  5.〈気を晴らす〉ことの意味――「気」の環流と〈気晴らし〉の機能 219
  6.「何のために」と問う必要はない 221
 五.地域における新しい子育てネットワーク 222
  1.地域ネットワークが求められる理由 222
  2.地域の活性化と子どもの役割 224
  3.地域における大人と子どもの関係づくり 225
  4.進む〈地域のネットワーク〉再生に向けての福祉・教育政策 228
  5.学校をこえる子育て・教育 231
  6.〈教育と福祉と文化の結合〉とノットワーク 239
 補論 いじめ問題と子どもの人権 246
  1.くりかえされてきた「子どものいじめ事件」 246
  2.子どもの「いじめ」を読み解く 248
  3.いじめを生み出す教育の風土 253
  4.いじめ解決への視点 255

 あとがき 260

著者情報

増山均

1948年、栃木県宇都宮市生まれ。専門は教育学、社会福祉学。東京教育大学文学部哲学科、東京都立大学人文科学研究科大学院卒業。日本福祉大学、早稲田大学教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。日本子どもを守る会副会長。主な著書に『余暇・遊び・文化の権利と子どもの自由世界』(青鞜社、2004年)、『かならず実る子育てのひ・み・つ』(かもがわ出版、2004年)、『子育て支援のフィロソフィア』(自治体研究社、2009年)、『うばわないで!子ども時代』(共著・新日本出版社、2012年)、『蠢動する子ども・若者:3・ 11被災地からのメッセージ』(共著・本の泉社、2015年)