真実に好奇心、未来を見つめる 新日本出版社真実に好奇心、未来を見つめる 新日本出版社

メニュー

財界の真の姿から日本の経済、そして政治の歪みが見える

財界支配 日本経団連の実相

佐々木憲昭=著

定価2,750円(本体2,500円)

出版年月
2016年1月
ISBNコード
978-4-406-05960-2
仕様
0033/ A5判上製/ 264P
タグ
社会    経済一般   
ネットショップでさがす
アマゾンでさがす
楽天ブックスでさがす
e-honでさがす

財界団体の中でも経済と政治に強い影響力を持つ日本経団連。経団連役員の大企業が、どのように資産を肥大化させているか、大株主は誰かなどの実証分析から、今日の多国籍化や「株主至上主義」などの体質を解明。経団連がどのように生まれ、政治をどう動かしているか、軍需産業とどう関わっているか、豊富な資料で解説する。

目次や構成

目  次
はじめに 7
第1章 財界とは何か――経団連の創設と基本性格 15
1 財界3団体と日本経団連 16
2 経団連の創立とその背景 18
3 経団連役員とその構成 22
(1) 経団連役員の変遷 22
(2) 日本経団連の意志決定機関 23
(3) 役員企業の産業構成 26
(4) 経団連会長と金融業界 31
第2章 巨大化と多国籍企業化――雇用破壊と産業空洞化 35
1 総資産にみる経団連役員企業の巨大化 36
2 伸びない売上高 38
3 高まる海外依存度 40
(1) 1970~1990年――輸出依存度を高める 42
(2) 2000、2005年――世界市場への浸透 43
(3) 2010、2015年――海外依存へのいっそうの傾斜 48
4 労働者を正規から非正規に置き換え 49
(1) 15年で正規が1万人減り非正規が1万3000人増える 49
(2) 1970~1990年――雇用の大幅削減 51
(3) 2000~2015年――非正規労働者の増加 55
5 すすむ多国籍企業化と産業の空洞化 56
(1) 海外での生産拠点の増加、労働者の削減 57
(2) 多国籍企業化がもたらす国内産業の空洞化 57
(3) TPPを求める日米多国籍企業 59
第3章 経団連を支配しているのは誰か 61
1 外資の株式保有が3分の1を超える 62
(1) 1970~1990年――外資比率が高いのは東芝のみ 63
(2) 2000年――平均20%の外資比率に 63
(3) 2005年――外資比率の平均が29%に 68
(4) 2010年――20%を超える企業が3分の2 68
(5) 2015年――外資比率の平均が34.48%に 69
(6) 外資比率が急増した理由 69
2 カストディアンが大株主となる 70
(1) カストディアンとは何か 71
(2) 日本における3大カストディアンの設立 76
(3) グローバル・カストディアンとサブ・カストディアン 78
(4) 株式保有率を高めるカストディアン 80
3 強まる株主の圧力 102
(1) 「日本版スチュワードシップ・コード」――「もの言う」株主 103
(2) 配当額の増大に拍車をかけた会社法改正 105
(3) 急増する株主への配当額 105
(4) 東芝事件が意味するもの 106
(5) 株価をつり上げるため年金基金に手を伸ばす 107
第4章 経団連の税財政・金融要望 115
1 経団連の税財政に関する要望――法人税と消費税をめぐって 116
(1) シャウプ勧告と経団連による批判――1949年 116
(2) 法人税率の引き下げ――1950年代後半~1960年代 121
(3) 法人税の引き上げと付加価値税導入への動き――1970年代 121
(4) 一般消費税導入の破綻――1979~80年 123
(5) 法人税率引き上げと経団連の抵抗――1980~85年 127
(6) 法人税の引き下げ、大型間接税の導入へ舵を切る――1986~88年 129
(7) 売上税をめぐる攻防――議長「あっせん」で火種残る 131
(8) 消費税の導入を強行――1988~89年 132
(9) 消費税率の引き上げと法人税率の引き下げ――1997~1999年 133
(10) 経団連による消費税率再引き上げの圧力 134
(11) 安倍内閣による新たな国民負担 142
2 経団連と金融政策 143
(1) 金融自由化に対して 144
(2) 円高問題への経団連の対応 145
(3) 不良債権処理に対して 146
(4) 金融機関の再編・集中と公的機能の低下 152
第5章 経団連と軍需産業 155
1 「防衛装備品」受注企業のなかの経団連役員 156
2 経団連役員企業に占める軍需産業の位置 157
3 経団連・防衛生産委員会の役割 164
4 日本の再軍備と軍事予算の増額 178
(1) 経団連の「軍事大国」構想と兵器国産化要望 178
(2) 軍事予算の抑制と武器輸出の衝動 186
(3) 安倍内閣の大軍拡路線 188
5 武器輸出三原則の撤廃 189
(1) 武器輸出三原則の確立の経緯 190
(2) 対米武器技術供与 191
(3) SDI構想への参加表明 192
(4) 日米軍需産業から三原則撤廃の圧力 193
(5) 安倍内閣による三原則の撤廃 194
(6) 産軍複合体づくりと「産軍学共同」の推進 195
6 宇宙の軍事利用 197
(1) 宇宙開発の「平和利用原則」確立の経緯 198
(2) 宇宙基本法による「非軍事」の否定 199
7 軍需産業と行政の癒着 201
(1) 防衛庁調達実施本部の背任事件――規制も抜け穴 202
(2) 防衛施設庁談合事件――天下りのシステム化 203
(3) 防衛事務次官の収賄事件 204
(4) 軍需企業への天下りと受注額 205
第6章 財界による政治支配の変容 209
1 経団連による政策決定過程への介入 211
(1) 増え続ける官邸主導の会議体 211
(2) 2つの司令塔――「基本設計」と「実施設計」 216
(3) 司令塔に入り込む財界代表 218
(4) 司令塔方式による新しい支配 229
(5) 財界代表が主導する仕組み 231
(6) 国家戦略特区――トップダウン型の規制緩和 235
2 政治資金と経団連 242
(1) 旧経団連の献金斡旋方式 242
(2) 通信簿方式で献金を再開 244
(3) 政党助成金について――補論として 247
3 総理のトップセールス 252
(1) 2年半で27ヵ国、489社、1556人が参加 252
(2) 武器輸出を含む軍事協力 254
(3) 原発輸出を推進 259
あとがき 261

著者情報

佐々木憲昭

1945年、北海道生まれ。1996~2014年、6期18年にわたり日本共産党衆議院議員を務める。主な著書に『財界支配――日本経団連の実相』(2016年、新日本出版社)、『変貌する財界――日本経団連の分析』(2007年、同前)、『どうみる世界と日本の経済〈改訂版〉』(1988年、同前)、『おしよせる大失業』(1987年、同前)、『転換期の日本経済』(1983年、同前)、『暮らしのなかのエネルギー危機』(1981年、同前)、『現代エネルギー危機論』(1978年、同前)