
経済の基本中の基本のことから説き始め,明治政府がお金なしで出発した話のほか,不良債権問題など今日的なテーマまでを取り上げる。日本経済がアメリカに頭が上がらない本当の理由やアメリカが一番知られたくないことがハッキリわかる本。
目次や構成
- はじめに
- I 近代経済の仕組みはどのようにして生まれてきたのか
- (1) 富本銭は実際に使われたのか
- (2) 貨幣らしい貨幣はいつごろ出てきたのか
- (3) 明治政府はどうやってお金をまかなったのか
- (4) 労働者はこうして生まれた
- (5) 生産物はどう分配されるのか
- II 生産と消費の構造
- (6) 生産物は大きく分けて二種類
- (7) その二種類の生産物を誰が買うのか
- (8) 生産するのも、生産された商品を買うのも、資本の活動−お金儲けのため
- (9) 供給と需要はなかなか一致しない
- (10) 人類は何のためにモノを作るのか
- III 作りすぎの辻つまを合わせるために
- (11) いくら値段を下げても売れぬものは売れぬ
- (12) 輸出と政府の消費
- (13) 侵略戦争で好景気を作り出した戦前の日本とドイツ
- (14) 個人の最終消費
- IV 日本経済の成長と行き詰まり
- (15) 初めは機械も技術も輸入しなければならなかった
- (16) 一九六〇年代までの高度成長
- (17) 作りすぎの時代に入った
- (18) 消費者にいかに売りつけるか
- (19) 余ったものは政府に買わせる
- (20) 政府に借金させ、それを浪費させる
- (21) 企業も議員も財政支出頼み
- (22) サラ金地獄状態になった日本の財政
- V 金融の仕組み
- (23) 財政と金融を一緒に理解する
- (24) お金無しで出発した明治の日本
- (25) 銀行の二つの役割
- (26) 預金が貨幣の働きをすること
- (27) 預金で決済すること
- (28) 預金はどうしたらふえるか
- (29) 預金は創り出せるが限度がある
- (30) 銀行と日銀への準備預金
- (31) 「金融緩和」の説明
- (32) 日銀に無理強いする政府とアメリカ
- (33) 金融緩和策も効きめ無し
- (34) 戦争につながる危険なインフレ目標論
- VI 世界経済と日本経済
- (35) 外国貿易と対外支払い
- (36) 世界貨幣・金とその不足
- (37) 金本位制の働き
- (38) 金の代わりを務める貨幣
- (39) ニューヨーク残高の時代
- (40) 大戦直後のアメリカと日本
- (41) 戦後の発展を別の角度から振り返る
- (42) 人為的に不景気を作り出した話
- (43) 世にも奇怪至極なこと
- (44) 値打ちのないドルを受け取る
- (45) アメリカはいくらでも輸入出来るのか
- (46) 値打ちの下がったドルを押しつけられること
- (47) アメリカのために「ドル特権」を守ること
- (48) ポンドとドルの盛衰記
- (49) 国民よりもアメリカに忠実な日本政府
- (50) 断崖に追い詰められた日本のとるべき道は
著者情報
大槻久志

やさしい日本経済の話
定価1,870円
(本体1,700円)
2003年11月