
二十世紀の悪夢ナチスを生んだ国・ドイツ。花開いたワイマル民主主義が短命に終わり、ドイツ人はなぜナチスにからめとられたのかーー。暴虐の遺産・アウシュヴィッツの地に立ったドイツ現代史家の眼に映ったものはなにか。日本と比較しつつ、戦前戦後の政治過程をたどり、統一後十余年のヨーロッパの大国のゆくえを探る。
目次や構成
[目次]
- プロローグ ドイツ現代史への「私の想い」
- 第一章 ワイマル民主主義はなぜ短命に終わったか―「内」からの崩壊
- 「ワイマル」の序曲とその「好感度」
- だれからも愛されなかった民主主義
- 民主主義は「制度」だけでは守れない
- 「予言者たち」の世界
- 第二章 権力へのナチスの道とホロコースト
- ナチス・イメージの変転
- ナチスにおける「権力の条件」
- ホロコーストを考える
- 第三章 戦後ドイツの二つの顔
- ドイツと日本の戦前・戦後
- 戦後再建期西ドイツの「二つの顔」
- 「第二の戦後改革」と大国主義の波
- 「統一」から十三年
- エピローグ アウシュヴィッツに立って
- ドイツ・日本の現代史略年表
- あとがき
著者情報
望田幸男
1931年山梨県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。ドイツ近・現代史専攻。同志社大学名誉教授。文学博士。<BR> 「ネオナチのドイツを読む」「軍服を着る市民たち」「ナチス追及」その他著書多数。

ナチスの国の過去と現在 ドイツの鏡に映る日本
定価2,530円
(本体2,300円)
2004年2月