[目次]

• まえがき
• 第一章  明治一〇年代末頃から二〇年代始めにおける民間の新思想
  • 一  新思想の登場
    1. 憲法発布、国会開設を間近にして
    2. 徳富蘇峰による「田舎紳士」の提唱（明治二十一年）
  • 二  新思想の諸論作
          ―― 一部は二〇年代後半に及ぶ ――
    1. 徳富蘇峰『将来之日本』
    2. 三宅雪嶺『真善美日本人』
    3. 陸羯南『〔新聞〕日本』から
       ――あわせて『近時政論考』について――
    4. 志賀重＊『日本風景論』
• 第二章  明治憲法の制定と教育勅語の発布
                ――絶対主義的天皇制の確立――
  • 一  明治憲法の制定
    1. 制定の経過
    2. 治国の大法としての憲法
         ――「大日本帝国憲法」と「皇室典範」――
  • 二  憲法の制定と民衆
            ――とくに中江兆民の場合――
  • 三  教育勅語の発布
  • 四  国家神道とその成立
            ――国家神道と、自然・生命を尊ぶ民間の神道信仰との区別について――
  • 五  井上哲次郎と『教育勅語衍義』
• 第三章  国家主義・富国強兵・思想弾圧の進行
                ――日清戦争を経て日本帝国主義への道――
  • 一  日清戦争、それ以後の国家主義と文化の高揚
    1. 帝国主義の時代、一九世紀九〇年代頃からの日本
    2. 徳富蘇峰のナショナリズム――『大日本膨張論』――
    3. 高山樗牛の登場――「滝口入道」と「日本主義」の唱道など――
    4. 姉崎正治によるドイツの哲学・芸術思想の導入
         ――ショーペンハウアー・ニーチェ・ワーグナーについて――
  • 二  思想弾圧と教科書による国民の「鋳造」
    1. 久米邦武「神道は祭天の古俗」――国体論者たちからの批判・罵言――
    2. 南北朝正閏問題と国家主義教育の強化
• 第四章  社会主義思想の展開
  • 一  欧米の社会主義思想とわが国での展開――その思想と運動について――
    1. 社会主義思想の導入と日本社会主義の思想と運動の漸次的成長
    2. 日清戦争後における労働運動、社会主義思想とその運動
    3. 日露戦争勃発以後「大逆事件」まで
  • 二  片山潜
    1. 生涯と活動
    2. 『我社会主義』
  • 三  幸徳秋水
    1. 生涯と活動
         ――平民社での活動、「共産党宣言」の本邦初訳、「大逆事件」など――
    2. 『廿世紀之怪物・帝国主義』
    3. 『社会主義神髄』
    4. 幸徳秋水の唯物論とダーウィニズム――哲学思想について――
• 第五章  社会問題の発生と展開
  • 一  横山源之助『日本之下層社会』（一八九八〔明治三十一〕年）より
            ――極貧の庶民と労働者の状況について――
  • 二  田中正造と足尾銅山鉱毒事件
            ――公害問題・環境問題の発生――
• 第六章  非戦・平和の思想（断章）
  1. 内村鑑三
  2. 夏目漱石
  3. 木下尚江
  4. 幸徳秋水
  5. 与謝野晶子――高師の浜乙女――
• 人名索引　　巻末

＊（「日」の下に「エ」と「卩」）