
日本の古代国家は、いつ、どのようにして成立したのか−−。6世紀の東アジアの国際関係の中での倭人社会の位置、継体天皇の出現と筑紫君磐井の「反乱」の意味など、日本の古代国家の成立過程を解明する意欲的研究。相次ぐ遺跡の発掘で古代国家論が隆盛の現在、歴史愛好者が興味津々の関心を持っているテーマに迫る一冊
目次や構成
[目次]
- はじめに
- 第一章 黒井峯ムラの人びと―日本のポンペイの語るもの―
- 1 黒井峯遺跡の遺構
- 2 黒井峯遺跡の個別経営体について
- 3 地域社会のなかでの黒井峯遺跡
- 付説 律令国家の馬牧遺跡―半田中原・南原遺跡―
- 第二章 六世紀代の東アジアと倭国
- 1 百済の熊津遷都のもたらしたもの
- 2 新羅・百済の国制の整備
- 3 南部朝鮮地域をめぐる諸国の攻防 (1)
- 4 南部朝鮮地域をめぐる諸国の攻防 (2)
- 第三章 継体朝の諸問題
- 1 継体の登場
- 2 筑紫君磐井の「反乱」
- 3 「辛亥の変」について
- 4 今城塚古墳の語るもの
- 第四章 中央権力による地域社会の支配―部・国造・ミヤケ・県―
- 1 部民制について
- 2 国造制について
- 3 ミヤケ制について
- 4 県主・県・県造について
- 第五章 中央権力機構の構成
- 1 ウヂとカバネ
- 2 首長居館と王宮
- 3 六世紀代の統治体制について
- 終章 古代専制国家論―むすびにかえて―
- 参考文献
- 倭国と朝鮮諸国との関係年表
- あとがき
著者情報
吉田晶
1925〜2013年。兵庫生まれ。京都大学文学部卒業、岡山大学名誉教授。主な著書、『卑弥呼の時代』『倭王権の時代』(以上、新日本新書)『七支刀の謎を解く』(新日本出版社)『日本古代社会構成史論』『日本古代国家成立史論』その他

古代日本の国家形成
定価2,420円
(本体2,200円)
2005年4月