
いじめ、不登校、リストカット、自閉症、あるいは教師の心身症……。いま教育現場が抱えるさまざまな問題を、主人公のさとこ先生が、子どもの痛みに寄り添いながら、教師、親とともに悩み、乗り越えようとする。著者みずからの体験や周囲の出来事をもとに描く、感動の教育ドキュメント。毎日新聞京都版に好評連載中。
目次や構成
〔目次〕
- 1 さくら
- 働く母になる日
- 「先生、きっと帰ってきてね」 ほか
- 2 秘密
- 笑わない少女
- 人に言えない経験 ほか
- 3 赤いブロック
- 障害児学級の転入生
- 二つの顔 ほか
- 4 福の神
- 障害児の放送委員会参加
- 「やさしさ」って何 ほか
- 5 ユウジ
- 七年前の教え子
- 窓のない部屋からの脱出 ほか
- 6 気になる子
- 見逃した子どものサイン
- アスペルガー症候群
- 「自分のことが知りたい」 ほか
- 7 学校に行けない
- "いい子"の長女
- 休職を選んだ母親 など
- 8 ステップファミリー
- 新しい家庭での苦悩
- 支援グループに参加 など
- 9 笑って、先生!
- 教員仲間の欠勤
- 揺らぎ始めた自信 など
- 10 出発
- 卒業生からの手紙
- 新たな出会いの春 など
- あとがき
教育評論家・法政大学教授 尾木直樹さん推薦
虐待や学習障害、ステップファミリー。新たに深刻化する教育の困難。それらを子どもの目線で社会背景と交差させて見事に描く。胸が熱くなり癒される。同時に人間への信頼が芽生え、未来への希望が湧く。待望の力作である。
著者情報
おにつかるみ
1951年生まれ。現在、京都府の小学校で講師(障害児学級)をしながら、執筆活動。著書に絵本『赤いランドセル』(文芸社)。

さとこ先生のホームルーム
定価1,540円
(本体1,400円)
2005年8月