
知的に低くはないがどこか違う子、離婚した親と子、子どもから信頼を失った教師……。子どもと教育現場で起きている様々な現実。しかし、障害児も含めて人間の成長をはぐくむ場所は学校であり、主役は子どもであることへの信頼が「奇跡」を生む。『さとこ先生のホームルーム』に続く感動の教育ドキュメント。
目次や構成
〔目次〕
- 1 自分の居場所
- ほっぺをつねる実験
- 胸をえぐられる授業参観
- 教室に居場所のない子
- 「青空学級で勉強したい」
- 「もっと早く誘ってほしかった」
- 「障害ではないのに……」
- 太鼓をたたく孝義君
- 青空学級がなかったら
- 2 蛍
- 母の脳腫瘍
- インフォ−ムドコンセント
- 母の生きざま
- セカンドオピニオン
- 赤ちゃんのような母
- 今を大切にしたいの
- カサブランカが見えた
- 母の臓器提供カード
- 3 走る少年
- 揺らぎながらの出発
- 試行錯誤の写真カード
- 大君がしゃべった!
- 大君が走った!
- 教師になる決意をいた日
- 4 さまよう親
- 「緊急避難」してきた親子
- 「ゆがんだ数字」の意味
- 成績を下げてください
- 子どもが変われば
- 5 マンゴーシャワー
- フィリピン人の母
- マリアの漢字ドリル
- マガンダンハポン!
- サラマット!
- 6 シクラメン
- 離婚した母の恋愛
- 私も寂しかった
- 7 空のにおい
- プーさんへのこだわり
- 一輪社に乗れた
- 雨の音のプレゼント
- 信也君は天才!
- お兄ちゃんてすごい
- パソコンで広がる世界
- クールダウン
- 仲間がほしい
- 光と影へのこだわり
- 8 扉
- 家事をさせられる小学生
- うつ病に悩む母親
- 初めての精神科
- 戻った母と子の笑顔
- 9 普通の子
- わが子が見えない
- 豆腐屋さんでの職場体験
- 老人ホームでの奇跡
- 10 卒業
- さと子への冷たい視線
- 健との秘密の約束
- 砕けた信頼
- このままでいいんか
- あとがき
「あとがき」より
私はよく「寄り添う」という言葉を使います。 憲法や教育基本法が改悪されようとしている今日の状況は、 良心的な一教師がどんなに頑張っても子どもを守りきれない現実があります。 だから時には「寄り添う」ということは「たたかう」ことでもあります。 子どものために声をあげ、立ち上がる、そんな勇気も持ち続けていたいなと思います。
著者情報
おにつかるみ
1951年生まれ。現在、京都府の小学校で講師(障害児学級)をしながら、執筆活動。著書に絵本『赤いランドセル』(文芸社)。

空のにおい さとこ先生のホームルーム2
定価1,650円
(本体1,500円)
2006年7月