
米原潜に衝突された実習船えひめ丸は、9人の尊い命とともに深い海底に沈んだ。記憶に鮮明な?えひめ丸事件?。だがその背後にある物語を知る人は少ない。衝突の時、米原潜で起きていたことは? 真相は究明されたのか。日米の政治的欺瞞、教師による苦渋の告発とは。事件から5年、その全貌に迫る渾身のドキュメント。
目次や構成
〔目次〕
- 序にかえて
- 第一章 二〇〇一年二月九日一三時四三分一五秒
- 第二章 驚愕はしるグリーンビル内
- 第三章 悲劇の背景と連鎖
- 第四章 衝突点への二つの航跡
- 第五章 空白の一八時間
- 第六章 米海軍の粉飾と隠蔽
- 第七章 第二の悲劇
- 第八章 教師たちの告発 ―ないがしろだった生徒たちの安全
- 第九章 「利益相反」に警鐘を鳴らして
- 第十章 涙と葛藤と ―ワドル元艦長の謝罪訪日
- 終わりに
- 翻訳・共著者のことば
- 資料 えひめ丸事件の真相究明、再発防止および被害の回復・適正な補償を求める決議(自由法曹団)
推薦の言葉
金澤 彰さん
「米海軍の思惑と被害者補償に関する事実に驚きを禁じえない。本書に出会えなければ、真実は闇に葬られていただろう。」(元愛媛大学医学部教授・精神科医)
坂本 修さん
「民衆に被害を与えた軍隊は真実を隠した。だが、民衆の弁護士らは迫真の筆で悲劇の真相をここに明らかにする!」(自由法曹団団長・弁護士)
著者情報
ピーター・アーリンダー
1948年 米イリノイ州シカゴに生まれる。ブラッドリー大学卒業後、トラック整備の家業を助けながら法資格を取得。シカゴ大学講師を経て、現在はミネソタ州セント・ポールのウィリアム・ミッチェル・ロースクール教授。専門は憲法的刑事法。刑事弁護士としても活動し、ベトナム帰還兵のPTSD問題をいち早くとりあげた。アメリカの進歩的弁護士団体、ナショナル・ロイヤーズ・ギルド元議長。日本の自由法曹団との交流も深い。2001年 一橋大学法学部、早稲田大学比較法研究所で客員研究員。

えひめ丸事件 語られざる真実を追う
定価2,420円
(本体2,200円)
2006年1月
薄井雅子
1954年 福島県に生まれる。福島大学教育学部卒業。「赤旗」、『女性のひろば』記者として21年間活動。現在はミネソタ州セント・ポール在住。

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2006年1月