
9.11テロ以後、アメリカでの暮らしは「毎日が戦争」だった。「きょうの戦況」というニュースの後にバーゲンやレジャー情報が続く異常。アメリカはなぜ、どのようにイラク戦争に突き進んだのか。戦争は社会に何をもたらしたのか。人々はどう巻き込まれ、どう抵抗しようとしているのか……。米在住の著者渾身のレポート!
目次や構成
〔目次〕
- 〔巻頭 スメドレー・バトラーの言葉〕
- 序章 戦争熱
- 毎日が戦争
- 逃げ惑う者の視点
- “戦争はエキサイティング”
- 怒りと復讐
- 1章 「英雄」ジェシカ・リンチ上等兵
- 「イラクに自由を」
- 手招きする光
- 花ではなく手榴弾
- 世界を見たい
- シングルマザーの生きる道
- 米兵11人死亡
- 弾がつきるまで撃ち続け…
- 捕虜は英雄
- 少数民族の現実
- ジェシカの証言
- 2章 「テロリスト」の名のもとに
- 消えるソマリア人
- イスラムとユダヤ
- イスラム教信者が下院議員に
- 「パレスチナ人はお断り」
- 教授かテロリストか
- クリントン時代に「秘密証拠」採用
- ムスリムとキリスト者が一堂に
- 姿を消したレストランの主人
- イブラヒムを自由に
- フランス人もテロリスト?
- アメリカ市民にも思想弾圧が
- 3章 「帝国」は先制攻撃する――イラク開戦への軌跡
- スター・ウォーズ
- イラク解放は朝飯前
- われわれにつくか、テロリストにつくか
- 次はイラクだ
- 化学・生物兵器の前史
- 悪の枢軸
- 核兵器用のアルミ筒?
- 米国務長官の“はったり”演説
- 政府内部からも批判
- 自己破滅に向かう王朝がモデルか?
- 埋め込まれた記者たち
- 4章 戦争を売る者たち
- PART1 ブラックウォーター
- 米民間人は何をしていたか
- 元海兵軍兵士が創業者
- 世界で傭兵を募集
- 撃ち逃げ
- 傭兵たちの運命
- PART2 ゴールド・ラッシュの再来
- 企業に解放
- 戦争ビジネスマン
- アフガニスタン攻撃の背景
- 鉄のトライアングル
- 途方もない軍事費
- 軍需依存
- 軍産複合体の成長
- 〔別項〕 アメリカのキリスト教右派
- アダムとイブと恐竜
- テレビで金あつめ
- アメリカの政治とキリスト教右派
- 神はブッシュに祝福を与えた
- 法定での歴史的論争
- 偉大なる知性
- PART1 ブラックウォーター
- 5章 ファルージャに火の雨が降る
- 抵抗の町
- 占領がもたらしたもの
- 真実に目が覚めた
- 白リン弾の炸裂
- 開戦の理由は消えた
- 国連事務総長の批判
- 「敵」を間違えるな
- 6章 海兵隊員の母の任務はもっとも困難
- 「男になる」チャンス
- 銃を口にくわえて
- 裏切り者といわれても
- 使い捨てられる米兵士
- 戦争の本質を映し出す鏡
- 7章 戦争犯罪には加担しない――ワタダ中尉の挑戦
- 裏切られた愛国心
- 疑問をもつこと
- 国防長官の辞任を要求
- 軍法会議
- 「イラク戦は合法」と決めつけ
- 弁護側の逆襲
- あせる裁判長
- 二度にわたり苦しめてはならない
- 今が抵抗のとき
- 終章 人は世の中を変えることができる
- 真実のかけらを集めて
- 抵抗の精神
- 将来への模索
- 人生と戦争と
著者情報
薄井雅子
1954年 福島県に生まれる。福島大学教育学部卒業。「赤旗」、『女性のひろば』記者として21年間活動。現在はミネソタ州セント・ポール在住。

戦争熱症候群 傷つくアメリカ社会
定価1,760円
(本体1,600円)
2008年3月