
「未来を担う子どもを育てる」希望に燃え、みずほが就職した民間保育園。だが、定員の倍近い子どもを抱えたうえ、仕事に疲れ果て退職する仲間が相次ぐ。みずほは、保母養成学校に入り学ぶ中で自分の職場が当たり前でないことを知る。安保闘争直後の時代に、無権利の職場で組合の結成にふみだす保育士たちのたたかいと成長を描く長編。
目次や構成
〔目次〕
- 1 出発
- 2 ねずみの部屋
- 3 白い朝
- 4 二つの町
- 5 子どもの芽
- 6 査察
- 7 公然化
- 8 嵐の中へ
- 9 雪の朝
- 10 春の庭
著者情報
稲沢潤子
1940年東京生まれ。日本民主主義文学会常任幹事。『地熱』で第19回多喜二・百合子賞受賞。著書『北の碑』『星の降る谷間』など。