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心と命を壊さず働くためには!?

成果主義とメンタルヘルス

天笠崇=著

定価1,760円(本体1,600円)

出版年月
2007年5月
ISBNコード
978-4-406-05041-8
仕様
0036/ 小B6判上製/ 174P
タグ
芸術・生活    生活・健康・女性・青年   
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いま成果主義賃金制度の下で職場に急増する「心の病」。「努力が報いられる」どころか、成果に追われて新たな「ストレス因子」が増え、労働者の心と命が壊れてゆく実態を、過労死裁判にも関わる精神科医が、豊富な診療事例と最新の研究から検証・告発する。人間らしい働き方とメンタルヘルスを提唱する注目の書。

目次や構成

〔目次〕

  • まえがき
  • 1章  成果主義の労働現場から―手記

    目先の利益を求め、人を壊す成果主義―某製造業メーカーの実態

  • 2章  成果主義と心身の健康悪化
    • 1  「心の病」の労働者が急増―診断事例から
      • 1 裁量労働のはずが長時間労働で―システム・エンジニア
      •   会社産業医も悲鳴を上げた過酷な労働現場―A子さん
      •   2日、3日の残業は当たり前、病気になって収入減に―Bさん
      • 2 「医療砂漠」と言われる医療現場で
      •   働き詰めで倒れたC医師
      • 3 成果主義が公務職場に持ち込まれると
      •   生徒に向かう情熱が管理によって削がれて―D子さん
      •   成果主義賃金制度導入前夜の自治体で―Eさん
    • 2  状態悪化の指標から
      • 1 成果主義の現在―労働者は導入に否定的
      • 2 労働現場にもたらしたもの―労働意欲も疲労も「より悪化」
      • 3 増える労働者のストレス状況
      • 4 急増するうつ病
      • 5 労働者の自殺増加
  • 3章  成果主義が「ストレス因子」を高める
    • 1  成果主義と「心の病」の因果関係
      • ―「喫煙は肺がんの原因」の調査から
    • 2  ストレスに大きく影響する「評価への納得感」
    • 3  いわゆる「過労自殺」の症例研究から
    • 4  長時間労働は「心の病」を増やす
      • 「疲れやうつのせいで労働時間が長くなるのでは?」への反論
    • 5  労働時間が減っても、「質的ストレス」の悪化
      • 1 過重労働は「心の病」を増やす―JDCモデル
      • 2 評価への不満は「心の病」を増やす―ERIモデル
      • 3 ハラスメントは成果主義のもう一つの結果
      • 4 労働ストレスは「心の病」をかけ算式に増やす
    • 6  過労自殺の因果関係―人事雇用システムから自殺へ
    • 7  目標管理制度は躁うつ病も増やし得る
    • 8  成果主義は格差を生み職場の活力を削いでいる
      • ―負のスパイラル
    • 9  「ホワイトカラー・エグゼンプション」の問題点
      • ―労働ストレスの観点から
  • 4章  「心の病」を減らし、起こさない取り組みを―労働組合への期待
    • 1  成果主義の下での働き方を考える―あるSEの例
    • 2  「ワーク・ライフ・バランス」とメンタルヘルス
    • 3  諸外国の模索
    • 4  労働組合の取り組みなくして解決なし
      • 1 長時間労働対策―改正労働安全衛生法および安全規制規則を活かす
      • 2 過重労働(要求度、裁量度、支援度)対策
      • 3 努力―報酬不均衡対策
      • 4 ハラスメント対策
      • 5 国の指針や通達を知り広げ守らせる
      • 6 予防対策のインパクト
      •    ―うつ病の八割、有職自殺者の四割を減らせる!
    • 5  孤立と分断から連帯と人間性の回復へ
  • 参考文献
  • あとがき

著者情報

天笠崇

精神科医。1961年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。メンタルクリニックみさと所長。