
人から人へ、手紙の配達をとおして、心を運び、心をつなぐ郵便屋さん。その日常に押し寄せる民営化の波は、郵便局を頼りにつつましく暮らす庶民と、それと結びつく労働者の誇りをも押し流してゆく。民営化前夜の苦闘する郵便屋さんの姿を、郵便局に勤めていた著者が、熱き連帯の思いを込めて描く珠玉の掌編小説集。
目次や構成
〔目次〕
- 特別送達
- 人事交流
- 母の日小包
- 冬期請負者
- 救助通報
- 郵メイト
- 簡易郵便局
- 郵便休息所
- 箱場
- 中国からの郵便
- カプセル郵便
- 点字郵便物
- 不在配達通知書
- 信書郵便
- 臨時出張所
- ペイオフ
- 球根小包
- 団体保険
- 計画担当課長代理
- 通区訓練
- 受箱配達要員
- 再雇用制度
- 公社移行前夜
- 昇進への道
- 標準作業
- 簡保協会
- 強制転配
- 課長官舎
- 廃屋の年賀状
- 事故の予感
- 一枚きりの年賀はがき
- 配達フリーター
- えっ、もう退職
- 少女への恋文
- 五月の風
- 病院の廊下
- 安売り
- 父の手紙
- 転居先不明
- フカヤキン
- 田舎のサロン
- こきざみな足音
- JPS
- 震災地の一通
- OB手当
- 過・不足金
- 低料郵便物
- 手紙
- 総合担務制度
- 優先採用
- 職種転換
- 三万人のひとり
- 背後の目
- 訓練道場
- こんにちは訪問
- 超勤原資
- 再就職
- 湖畔の朝
- 差立区分
- 2ネット方式
- 畑に行けば
- 駐車違反
- 古希の誓約
- あとがき
著者情報
なかむらみのる

郵便屋さん
定価1,760円
(本体1,600円)
2007年7月