
動乱の世を、一介の国人領主から戦国大名へと駆けぬけた毛利元就。西国の雄が生きた戦国時代は単なる天下取りの時代ではなかった。自力救済に代わる新たな社会秩序が、地域社会の中から生み出された時代だった。元就の事績をたどることによって、豊臣・徳川の全国統一政権確立へとつながる戦国時代の歴史的意義を解明する。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- I 「境目」の国人領主
- 一 毛利氏の系譜
- 二 元就の家督相続
- 三 大内・尼子の狭間で
- II 尼子・大内氏からの自立を目指して
- 四 「毛利両川」の誕生
- 五 「井上誅伐」事件
- 六 自立への道――「公儀」権力の成立
- III 戦国大名への飛躍
- 七 陶=大内氏との決別
- 八 厳島合戦
- 九 防長征服
- 十 国人領主から戦国大名へ
- IV 中国地方の「太守」に
- 十一 石見の領国化
- 十二 尼子氏の降伏
- 十三 果てしなき戦い
- おわりに
著者情報
池享
1950年新潟市生まれ。1974年一橋大学社会学部卒業、1980年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、一橋大学大学院経済学研究科教授。主な編著書に、『大名領国制の研究』(校倉書房、1995年)、『銭貨 前近代日本の貨幣と国家』(編著、青木書店、2001年)、『天下統一と朝鮮戦争』(編著、吉川弘文館、2003年)、『戦国・織豊期の武家と天皇』(校倉書房、2003年)、『越後平野・佐渡と北国浜街道』(編著、吉川弘文館、2005年)など。

知将・毛利元就 国人領主から戦国大名へ
定価2,200円
(本体2,000円)
2009年2月