
「憧れ」を見つけ、友と夜通しカンカンガクガク語り合おう――学ぶことは喜びであり、そこから自分の生き方が見えてくると考える著者が、若い世代に語った言葉の数々。学生時代をどう楽しむか、時代の変化の中でどう学ぶか、科学と平和、大学の役割など、体験に裏づけられたユーモアあふれる語り口で学問と教育を語る。
目次や構成
〔主な目次〕
- 第1部 学ぶことは喜び
- 憧れること、学ぶこと
- 私の研究と科学の楽しさ
- ノーベル賞、嬉しくないと言った理由(わけ)
- 第2部 科学と教育のこれから
- 学問の府としての大学の役割
- 社会の発展に貢献する科学的精神とは何か
「憧れること、学ぶこと」より
- 「このことをもう少し考えると、それは科学の意味につながってくると思います。自然科学だけでなくて、社会科学、人文科学も含めて、科学を前に進めるということは、人間が求める自由の範囲を拡大してくれることになります。自然にせよ社会にせよ、いろいろな「こうしたらこうなる」という必然性を科学は解明してきたし、これからもそうしていく、そういう営みです。それは人間に対し、選択の自由度を拡大してくれるのです。そういう意味で、皆さんが学問する、学ぶということは、皆さんが自由を獲得していく過程でもあると思います。」
著者情報
益川敏英
1940年愛知県生まれ。理論物理学(素粒子論)研究者。京都大学名誉教授。京都産業大学教授。2008年ノーベル物理学賞受賞。『科学にときめく』(かもがわ出版)、『現代の物質観とアインシュタインの夢』(岩波書店)、『教育を子どもたちのために』(共著、岩波ブックレット)、『いっしょに考えてみようや』(共著、朝日新聞社出版)、『僕がノーベル賞をとった本当の理由』(フォーラムA)、『「フラフラ」のすすめ』(講談社)など著作多数。

学問、楽しくなくちゃ
定価1,540円
(本体1,400円)
2009年10月